ヒメイワダレソウ(姫岩垂草)は、南アメリカ原産のクマツヅラ科イワダレソウ属の多年草で、地面を覆うように茎がのび、節で根をだして広がります。日本在来のイワダレソウの近縁種で、よくにた白く小さな唇形花を咲かせます。
地面を覆って広がり、たくさんの白い花を咲かせるヒメイワダレソウ(リッピア)
ヒメイワダレソウの花
国道沿いの空き地に、ヒメイワダレソウ(姫岩垂草、リッピア)の花がたくさん咲いていました。
以前から通るたびに見ていたのですが、今回撮ることができました。
昭和元年(1926年)に日本に入ってきた、南アメリカ原産の多年草です。
ヒメイワダレソウには近縁種が多く、見極めが難しいのですが、
日本在来種のイワダレソウ(岩垂草)に較べて花が小さく、花穂の長さも小さいくなります。
また、イワダレソウの改良種で、栽培品種のクラビア(K7)とも区別がつけがたいのですが、
こちらは花茎が長いようなので、ここではヒメイワダレソウとしました。
(^ ^;)
両者は、草丈の違いや、種子の有無に違いがあるのですが、今回は明確に区別できませんでした。
再度観察したいと思います。 m(__)m
花は、地面に沿って伸びた茎についた葉の腋から伸びた花茎の先に、
写真のような花が咲きます。
遠目には小さくてよくわからないのですが、近づいて見ると可愛い花です。
一つひとつの花は、2~4mmほどの唇形花で、
先端の周囲に、4個以上の花をつけた花序になっており、全体の大きさは1cmほどです。
ごらんのように、上唇が2裂、下唇が3裂しますが、下唇は上唇に較べて4倍ほど(私見)大きくなります。
また、下唇の中心部は黄色く、よく目立ちます。
唇形花の仲間には、ホトケノザ、アオジソ、カキドオシ、セイヨウジュウニヒトエなどがあります。
関連投稿に上げておきますので、よろしければご覧ください。
ヒメイワダレソウの花のいろは、白とピンクがあります。
花言葉は、「誠実」、「絆」。
真夏にたくさんの花を咲かせ続けることから「誠実」とつけられ、
「絆」は、小さな花がかたまって咲いている様子からつけられた、といわれています。
ヒメイワダレソウはこのように広がって繁殖し、
他の植物を寄せ付けないほど密に生えています。
このように強い植物なので、生態系への被害を及ぼす恐れがあるとして、生態系被害防止外来種リストに上げられています。
植える時には、注意する必要がありそうです。
ヒメイワダレソウの茎や葉
ヒメイワダレソウに近づいてみると、茎が地面に沿って伸びているのが見られます。
そして、節の部分で発根して地面に根を下ろして広がります。
また、花がさいた後には実をつけ、種を落すのでより繁殖しやすくなっているようです。
落した種の生存期間は、おどろくことに10年ということです。
葉には短い葉柄があり、長さ5㎜~20㎜、幅2㎜~7㎜の倒卵形で、
葉の下から1/3以上の縁に鋸歯が見られます。
茎の先端には複数の葉が、輪生状のようについています。
春から夏、秋にかけて長く咲くヒメイワダレソウ、グランドカバーとして雑草を防ぐには良さそうですが、
しっかりとした管理も必要のようです。
ヒメイワダレソウの基本情報・花言葉
ヒメイワダレソウ(姫岩垂草、リッピア)は、南アメリカ原産のクマツヅラ科イワダレソウ属の多年草で、
日本へは1926年(昭和元年)に渡来し、関東南部以西に自生しているといわれます。
名前は、在来種のイワダレソウ(岩垂草)に似ていて、花がより小さいことから、このようにつけられました。
リッピア(Lippia)は旧属名で、フランスの植物学者Augutin Lippiの名前に由来します。
学名は、Phyla canescens (Kunth) Greene
英名は、Carpetweed, Fogfruit
花期は4~11月で、葉腋から伸びた花茎の先に、直径1cmほどの花序になって、
2~4mmほどの小さな唇形花花を、円周状に咲かせます。
唇形花は、上唇が2裂、下唇が3裂しますが、下唇は上唇に較べて4倍ほど(私見)大きくなります。
また、下唇の中心部は黄色く、よく目立ちます。
花のいろは、白とピンクがあります。
実は丸く、直径1.5~2㎜ほどで、種子は10年間生存すると言われます。
葉には短い葉柄があり、長さ5㎜~20㎜、幅2㎜~7㎜の倒卵形で、
葉の下から1/3以上の縁に鋸歯が見られます。
茎は分枝して地面を覆うように伸び、節の部分で発根して地面に根を下ろして広がります。
草丈は15㎝ほどになります。
繁殖力が旺盛でよく広がるのでグランドカバーにされますが、
生態系被害防止外来種リストに上げられています。
近縁種に、イワダレソウ(岩垂草)や、イワダレソウを原種として品種改良されたクラビアがあります。
イワダレソウは日本原産、ヒメイワダレソウに較べて花が大きめで、花序が松ぼっくりのように円柱状になります。
クラビアは、イワダレソウを使って倉持仁志氏によって品種改良された緑化植物で、
たくさんの種類がつくられていますが、種を付けない不稔性であるため、
生態系被害防止外来種リストには含まれていません。
花言葉は、「誠実」、「絆」。
真夏にたくさんの花を咲かせ続けることから「誠実」とつけられたといわれます。
参照サイト
Wikipedia ヒメイワダレソウ イワダレソウ クラビア
ガーデニングの図鑑 ヒメイワダレソウ(リッピア)
みんなの趣味の園芸 ヒメイワダレソウ
ミドリス 新品種クラビアK7の特徴は4つ
弥生おばさんのガーデニングノート 「花と緑の365日」 ヒメイワダレソウ
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