ヘラオオバコ(箆大葉子)はヨーロッパ原産のオオバコ科の多年草で、葉がヘラのような形をしています。春から夏にかけて、花茎の先端に穂状の白い花を咲かせます。日本へは江戸時代末期に渡来しましたが、いまは日本全土に分布しています。
ヘラオオバコは道端などで見かける外来植物でハーブ
ヘラオオバコの花
よく通る道のガードレールのそばに、ヘラオオバコ(箆大葉子)の1株あり、たくさんの花が咲いていました。
いままで見たことがなく、私にとって珍しい花でしたが、意外にもオオバコの仲間でした。
ヨーロッパ原産のオオバコ科の多年草で、江戸時代末期に渡来し、いまは日本全土に分布しているとのことです。
日本在来種のオオバコは草丈が10~30cmほどなのに対し、ヘラオオバコは30~50cmほどと大きく、
葉の形が細長く、ヘラ(箆)ににている(オオバコは卵形)点などが違っており、ヘラオオバコと名づけられています。
ちなみに、オオバコ(大葉子)の名前は、葉が大きいとしてつけられました。
花は、春から夏にかけて咲きます。
写真のように地面から伸びたたくさんの花茎の先端に円柱状の花穂をつけていますが、
最先端近くに雌しべ、その下に雄しべ、その下に実をつけます。
ロウソクを思わせるような、ちょっと変わった面白い花で、人目を惹きます。
先端から少し下がったところに、円周に沿って白い葯をつけたたくさんの雄しべがついており、
この白いいろがよく目だっています。
よく見ると、雄しべの上部に先が尖った小さな糸状のものが上向きについていますが、こちらが雌しべになります。
そして、雄しべの下に茶色くなった部分が見られますが、こちらが実になります。
花は下から上に向かって咲き続けるので、このように、実の部分が長くなっているようです。
花言葉は、「惑わせないで」「素直な心」。
「素直な心」は、茎がまっすぐにのび曲がったり、他のものに巻き付いたりしないことからつけられたといわれます。
ヘラオオバコの葉と茎
こちらが、茎と葉になります。
ご覧のように大きな株になっており、ヘラと呼ばれる細長い形をした長さ10~20cm 幅1.5~3cmほどの葉が、
根生葉になって水平から斜め上の方向に放射状に伸びています。
先にも述べましたが、葉が、このような細長い形なので名前に「ヘラ」とつけられたとされます。
葉には、縦方向に葉脈が目立ち、表面には軟毛が見られます。
オオバコは、踏みつけられても育つ強い性質を持つといわれますが、ヘラオオバコには耐性がないようです。
たくさんの葉の間からは、いくつもの花茎がすらっと伸びて、その先に花穂をつけていますが、
茎に葉はつけず、長さ30~50cmほどになります。
また、茎には写真のように溝(5本)がついているのも特徴の一つです。
ヨーロッパでは、ハーブとしても利用されており薬効があるとされます。
名前はそっけないヘラオオバコですが、薬効もあって有用で、かわった花が咲く楽しい草花だと思います。(^⊆^)
ヘラオオバコの基本情報・花言葉
ヘラオオバコ(箆大葉子)は、江戸時代末期に渡来したヨーロッパ原産のオオバコ科オオバコ属の多年草です。
名前は、日本在来種のオオバコ(大葉子)の近縁種で、葉がヘラ(箆)のようなことに由来します。
また、オオバコ(大葉子)名前は、葉が大きいとしてつけられました。
学名は、Plantago lanceolata
英名は、Ribwort Plantain,、English Plantain
花は春から夏にかけて、花茎の先に穂状になって小さな花が密生し、下から上に咲き上がります。
雌しべは花の先端に先が尖ったようにつき、雄しべは、穂の周囲についた細い糸の先について白い環のように見えます。
実は花が咲き終わったあと、花の下につきます。
葉は、ヘラのような形をした披針形で長さ10~20cm 幅1.5~3cm、表面には長い毛が見られ、水平から斜め上に放射状に伸びます。
花茎は、縦方向に5本の溝があり、高さ30~50cmほどになり、その先に穂状の花を咲かせます。
在来種のオオバコにくらべて大きくなりますが、オオバコのような踏みつけに対する耐性はないとされます。
ヨーロッパではハーブとして、食用や薬用に利用され、家畜用飼料にもされるといわれます。
また、環境省指定の要注意外来生物類型2に指定されています。
花言葉は、「惑わせないで」「素直な心」。
参照サイト・書籍
Wikipedia ヘラオオバコ
松江の花図鑑 ヘラオオバコ
季節の花300 ヘラオオバコ
東邦大学 薬学部付属 薬物植物園 オオバコ
弥生おばさんのガーデニングノート 「花と緑の365日」 ヘラオオバコ
林弥栄監修 山と渓谷社 「山渓ハンディ図鑑1 野に咲く花」
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