鑑真和上ゆかりの白い花、瓊花(琼花 、ケイカ)

2023年4月30日

瓊花(琼花、ケイカ)は、3mほどの高さの樹に、ガクアジサイのような白い花をたくさん咲かせ、いい香りを漂わせます。中国蘇州揚州市が原産で、隋の皇帝に愛されたといわれ、4月末ごろから5月にかけて開花し、唐招提寺で特別公開されます。

ガクアジサイのような花が咲く瓊花(琼花 、ケイカ)

瓊花の白い花

瓊花(ケイカ)の白い花

鑑真ゆかりの唐招提寺で、瓊花(ケイカ)という花が公開されていると聞いて見てきました。

ガクアジサイとそっくりな形の白い花ですが、いい香りがし、3mほどの大きな樹にたくさんの花が咲いていました。

この樹は、鑑真和上の出身地の中国蘇州揚州市が原産の半常緑低木で、鑑真1200年忌を記念して1963年(昭和38年)に中国から贈られたものだそうです。

いまは、御影堂供華園(クゲエン)に10本植えられており、毎年この時期に特別公開されています。(2023年は、5月3日まで)

ケイカのケイの字は、古代中国語で見たことがない漢字で「瓊」と書かれますが、「非常に美しい」という意味を持つそうです。現代の中国語では「琼

」と書かれるそうです。

かつて、隋の皇帝である煬帝が好み、門外不出にされていたといわれ、名花とされます。

花の直径は10~20cmぐらいでしょうか、中心部にたくさん咲く両性花と、その周辺についた装飾花からなりますが、

瓊花(ケイカ)の装飾花は、花びらが5枚で、花の周囲に8個ついています。

瓊花の両性花

こちらが、両性花です。

小さな花びらが5枚で、長く伸びた蕊とその先の黄色い葯が目立ちます。

つよくていい香りは、こちらから出ているのでしょうか、この花の大きな特徴です。

なお、唐招提寺では、瓊花の香りがするといわれる「天平香  瓊花」という線香を販売されています。

この香りに誘われて、アオスジアゲハもとんでくるようですが、残念ながら今回はみることができませんでした。

枝の先で咲く花

花は、枝の先に、写真のように咲いています。

たくさんの枝がでて、その先に花をつけるので、つぎの写真のように、樹全体に花が咲いています。

たくさんの瓊花

瓊花の樹は3ほどと大きく育った樹全体の枝の先に咲く、たくさんの大きな花は、見栄えがあって見事です。

樹全体に咲く花々

瓊花の葉や樹

瓊花の葉

葉は、ご覧のように枝に対生していますが、枝の先にかたまってついているようです。

形は長楕円形で、縁に鋸歯が見られます。

瓊花の樹

樹の根元はこんな感じでした。

何本かの幹が株立ちしていますが、その先で枝分かれしており、

真っすぐ上に伸びるわけではなく、斜上して枝垂れるように育っているようです。

日本に仏教をつたえるために渡航を繰り返し、6度目に成功したときには失明していた鑑真和上ゆかりの花は、

大きな樹にたくさんの花を咲かせ、いい香りがするきれいな花です。

5月3日まで特別公開されているとのことなので、お近くの方は出かけられてはいかがでしょうか。

瓊花の基本情報・花言葉

瓊花(琼花 、ケイカ)は、中国江蘇州揚州市が原産のスイカズラ科ガマズミ属の半常緑低木。

「瓊」は中国の古語で、「非常に美しい」の意味を持ち、現代中国語では「琼花」と表記されます。

別名は、ハッセンカ(八仙花)。

学名は、 Viburnummacrocephalum f. keteleeri

英名は、 Qiong-hua, Baxian-hua

花期は4~5月で、ガクアジサイと同じように、両性花と装飾花からなる花を咲かせますが、

ガクアジサイとはちがって、花につよい芳香があることと、装飾花の花弁が5枚で、花数が8個と一定しています。(ガクアジサイの花弁は3~6枚で、花数は不定)

葉は対生し、長さ5~11cm 幅2~5cmほどの長楕円形で、縁に鋸歯がつきます。

樹高は3~4mで、2mほどのガクアジサイより大きくなります。

唐招提寺の瓊花は、鑑真和上1200年忌の1963年(昭和38年)に、揚州市大明寺に植えられていたものが、中国仏教協会から贈られたものと言われます。

花言葉は、「魅力的」

参照サイト

GKZ 植物事典 ケイカ

奈良まちあるき風景紀行  【御影堂供華園(唐招提寺)】鑑真和上の故郷ゆかりの白く美しい「瓊花(けいか)」が咲き誇る空間

鏡清澄の部屋 瓊花(けいか)と咲いているその場所(1)    瓊花(けいか)と咲いているその場所(2)

Wikipedia 鑑真

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