オオデマリは、装飾花の白い花を球形の花序になって咲かせます。4~5月に咲き、直径7~10cmほどの大きさで、手毬のような形の白やピンクの花です。また、葉は円形で葉脈が目立ち、秋に紅葉します。ここでは、コデマリとの違いについても書きました。
装飾花の白い花を咲かせるオオデマリ(大手毬)、コデマリとの違い
オオデマリの白い花
車で通りかかった空き地で、オオデマリ(大手毬)の花がさいていました。
3mほどの高さの樹に、小さな花がたくさん集まった球状の大きく、白い花が、たくさん咲いて綺麗です。
コデマリ(小手毬)の花が3~5cmの大きさなのに対して、オオデマリは7~10cmほどで、2倍ほどの大きさになります。
写真をよく見ると、オオデマリの個々の花は、花びらが5枚のように見えますが、中心部に雄しべや雌しべが見られません。
花びらのように見えるのは、ガクアジサイのように咲くヤブデマリが装飾花がだけになったものとのことです。
こちらがヤブデマリ(藪手毬)の花で、中心部の両性花と周辺部の装飾花から構成されています。
この花の両性花がなくなり、周辺部の装飾花だけで咲くようになったのが、オオデマリとのことです。
装飾花の形も大きく変わって、全体が丸い球状の花になったようです。
植物の世界では、このような変化が起こるのですね。驚きました。
このように、オオデマリの花には、雌しべや雄しべが無いので、果実もつきません。
樹にはこのように、たくさんの花が咲いていて、よく目につきます。
アジサイの花ににていますが、高くまで咲いていて少し趣が違うようです。
花言葉は、「華やかな恋」「約束を守って」「天国」で、5月27日の誕生花です。
「華やかな恋」は、人目を引くように咲く白く美しい花の様子に由来するといわれます。
オオデマリの葉
オオデマリの葉は、写真のように丸い形をしていて先が尖りまあう。
また、葉脈が目立ち、側脈の数は10~15対になります。
秋には、赤や黄にきれいに紅葉します。
オオデマリとコデマリの違い
オオデマリによくにた名前の花にコデマリがあります。
花序がオオデマリより小さいことから、コデマリと名づけられたと言われますが、よくにた花を咲かせます。
オオデマリにくらべて、花序、葉、樹高など小さく、葉は形も違います。
また、オオデマリが装飾花なのに対してコデマリは両性花になります。
つぎの表に、違いをまとめました。
オオデマリ | コデマリ | |
花序の大きさ(cm) | 7~10 | 3~5 |
花の特徴 | シベがない装飾花 | シベが目立つ両性花 |
葉の形 | 円形状 | 楕円形 |
葉の大きさ(cm) | 長さ5~12 幅3.5~7 | 長さ2~4 幅0.6~2 |
樹高(m) | 2~6 | 1.2~2 |
なお、コデマリについては、記事にかいていますので、詳しくはこちらをご覧ください。
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コデマリは、5弁の花が花序になって3~5cmの白い花を咲かせます
コデマリ(小手毬)は、直径1cmほどの5弁の花が、10~20個花序になって3~5cmの手毬のような白い花を咲かせます。花期は4~6月で、葉が出るのと同時に、樹全体にたくさんの花がつきます。中国東南部原 ...
オオデマリの基本情報・花言葉
オオデマリ(大手毬)は、日本原産のヤブデマリ(ガク咲き)の花がすべて装飾花(手毬咲き)になったもので、レンプクソウ科ガマズミ属の落葉低木です。(ケナシヤブデマリの方が近縁との説もあります)
ヤブデマリは、中国、台湾から日本の本州以南の分布し、ガクアジサイのような中心部に両性花をつけ周囲に白い装飾花をつける花になります。
花が咲いた後は、両性花に果実がつきますが、両性花がないオオデマリには果実がつきません。
日本では非常に古くから栽培されている園芸品種で、庭木や切り花にされてきました。
名前は、大きな手毬のような形の花が咲くことに由来します。別名は、テマリバナ(手毬花)。
学名は、Viburnum plicatum var. plicatum f. plicatum
英名は、Japanese Snowball
花期は4月~5月で、白やピンクの装飾花だけの花を咲かせます。
個々の花は先端が5つに分かれており、たくさんの花がついて、直径7~10cmの球形になります。
葉は長さ5~12cm 幅3.5~7cmの大きな円形状で、先が尖り葉脈が目立ち、秋にはきれいに紅葉します。
樹高は2~6mで、樹皮は灰褐色で皮目があり、平滑です。
オオデマリの花言葉は、「華やかな恋」「約束を守って」「天国」で、5月27日の誕生花です。
参照サイト・書籍
庭木図鑑 樹木ペディア オオデマリ
みんなの趣味の園芸 オオデマリ
花言葉-由来 オオデマリ
城川四郎他解説 山と渓谷社 「山渓ハンディ図鑑5 樹に咲く花」