カラスビシャクが花壇で咲いています。仏炎苞と呼ばれる独特の形の苞の中で、花序になって花が咲き、ミズバショウ、ザゼンソウ、マムシグサなどと同じサトイモ科の多年草です。苞の形がちいさな柄杓のようだとして、カラスビシャクと名づけられました。
仏炎苞につつまれて咲くカラスビシャク(烏柄杓)の花
カラスビシャクの花
歓迎されない野草ですが、カラスビシャクの花が花壇で咲きました。
繁殖力の旺盛な野草で、毎年出てきます。他の花や草の中に生えていることもあり、あまりいい写真ではありませんが、ご容赦ください。 m(__)m
カラスビシャクは、4月ごろ、地面から20~40cmほどの花茎をのばし、写真のような花を咲かせます。
花と言っても、見えているのは、仏炎苞と呼ばれる形の苞と、そこから飛び出した花序の細長い先になります。
この苞の中で、棒状の肉穂花序がつき、花がさいています。
地下から伸びた花茎と、その先についた仏炎苞が、小さな柄杓のようにみえるとして、カラスビシャクと名づけられました。
このように、苞の先から長い細いものが出ています。
苞の中でさいている花序の先が伸びたもので、上をむいて伸び、苞を押し上げているように見えます。
カラスビシャクと同じサトイモ科の植物に、ミズバショウやザゼンソウなどがありますが、カラスビシャクと違って、きれいな花序がよく見えて咲き、見栄えがします。
同じサトイモ科でも、大きな違いがありますね。
カラスビシャクの花は、仏炎苞の中に隠れているので、苞をあけて見てみました。
白くて小さな花がたくさんついており、その先が上に伸びて黒くなっていますが、この部分が苞から出て上にのびます。
なぜか、花を大事に包んでしまっています。普通の花とは生き方が違うようですね。
近くでよく見かけるサトイモ科の植物には、マムシグサがあり、カラスビシャクとよくにた花を咲かせています。
こちらも、仏炎苞の中に隠れて、花が咲いていますが、秋には実が赤くなってあらわれ、トウモロコシのようになります。
ただ、ご覧のような模様がついているので、この名前がつけられています。ちょっと気の毒な気がします。
マムシグサについては、記事に書いていますので、詳しくはこちらをご覧ください。
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カラスビシャクの葉とムカゴ
カラスビシャクの葉は3枚の小葉からなり、1〜2個、地面の近くに生えます。
小葉の大きさは、長さ5〜11cmの楕円形〜長楕円形で先がとがります。
写真は、葉を引きに抜いて撮った写真です。
したの白い部分についた丸いものがついていますが、ムカゴです。
カラスビシャクは、葉柄の途中や小葉の基部にムカゴがつき、これによって繁殖します。
繁殖力がつよいので、鹿児島県ではヒャクショウナカセ(百姓泣かせ)と呼ぶ地方もあるとのことです。(^_^)
カラスビシャクの基本情報・花言葉
カラスビシャク(烏柄杓)は、中国、朝鮮半島や日本全土に分布するサトイモ科ハンゲ属の多年草です。
日本で見られるものは中国からの史前帰化植物と考えられています。
名前は、仏炎苞と呼ばれる花の形が、カラスが使う柄杓のようだとしてつけられたとされます。
別名は、ハンゲ(半夏)、ヘソクリ、ヘブスなど。ヘソクリは、昔は漢方薬として使われ、根茎を掘って薬屋に売って小銭をためたことに由来するとのことです。
学名は、Pinellia ternata
英名は、crowdipper 、Ban Xia
花期は5~8月で、20~40cmの花茎の先端に、長さ6~7cmの筒状で上部があいた緑色の苞(仏炎苞)をつけます。
花は 仏炎苞に包まれ、棒状の肉穂花序でつきます。花序の先は長くのび、仏炎苞の外にでて直立します。
葉は3枚の小葉からなり、1〜2個根生します。小葉は長さ5〜11cmの楕円形〜長楕円形で先がとがります。
また、葉柄の途中や小葉の基部にムカゴがつきます。
根茎の根を乾燥させたものはハンゲ(半夏)と呼ばれる生薬としてつかわれます。
花言葉は、「心落ち着けて」。
花言葉は、生薬として使われることに由来するようです。
参照サイト
Wikipedia カラスビシャク
松江の花図鑑 カラスビシャク(烏柄杓)
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