仏炎苞の中で花序になって花を咲かせ、赤い実をつけるマムシグサ(蝮草)

2020年12月2日

マムシグサは、ミズバショウのように仏炎苞と呼ばれる大きな苞に囲まれ、その中で肉穂花序になってたくさんの花をつけます。偽茎についた縞模様がマムシを連想させ、名前の由来になっています。サトイモ科テンナンショウ属の多年草で、雌雄異株の有毒植物です。

仏炎苞の中で花序になって花を咲かせ、赤い実をつけるマムシグサ(蝮草)

マムシグサの赤い実

マムシグサの実

マムシグサの茎が冬になり倒れていました。たくさんの赤い実を、トウモロコシのような形でつけています。

マムシグサは、日本全土に分布するサトイモ科テンナンショウ属の多年草で、冬に枯れて、翌年また芽を出します。雌雄異株で、有毒です。

トウモロコシ状といっても、有毒なので食べられません。

鹿も食べないようで、山の中でこのような姿を見かけます。

元気なマムシグサ(10月16日)

10月には、まだほとんどの部分が緑で、このように元気な状態でした。

いままでは、マムシグサという名前を思い出すだけで、敬遠していたのですが、今回はすこし観察してみました。

実際は、マムシとは全く関係ないわけで、このように見てみると、それなりにきれいな形と色だと思います。

マムシグサの花(4月21日)

こちらが、マムシグサの花です。特徴のあるおもしろい形をしています。

ただ、マムシグサの仲間は種類は多いようなのですが、厳密に名前を確認はしていませんので、お断りします。

花は、同じサトイモ科のミズバショウ(水芭蕉)ザゼンソウ(座禅草)と似たつくりになっています。

ミズバショウの花

つまり、仏炎苞と呼ばれるの中に、肉穂花序(にくすいかじょ)になって花を付けています。(^O^)

ミズバショウなどの場合は、このように花序が現れていて見栄えがしますが、マムシグサは苞に覆われており、外からはみることができません。

マムシグサの偽茎

マムシグサの茎は、葉で包まれており、茎に見えるものは本来の茎ではなく偽茎と呼ばれます。

そして、写真のような気持ち悪いマダラ模様がついていおり、マムシグサの名前はこのマムシのような模様に由来するようです。

マムシグサは、ミズバショウと同じ構造の花なのですが、怖がられる名前をつけられて、気の毒だと思います。

以下余談ですが、実際のマムシを見たことがあるでしょうか。

マムシは、このような、縞模様が特徴なんですね。

私は、毎年何匹かに遭遇して、退治しています。

ただ、マムシは、どこにでもいるというわけではなく、住んでいる場所は、大体決まっているようなので、そういう場所に行くときは特に気をつけています。

具体的には、そういう場所に行く時は、鎌などの長い棒を持ち、手には手袋を、足には長靴や地下足袋をはくようにしています。

そいして、棒で草をかき分けながら歩くようにします。

できるだけ、相手に気づかせて、逃げさせることだと思います。

驚くと向かってくるかもしれませんが、こちらに気が付くと、逃げていきます。

ただ、逃げ足は普通の蛇より遅いので、一撃を与えれば、大体はやっつけることができます。

なお、マムシグサは球根をつけていますが、球根にも毒を持っているので、気をつけるようにしないといけません。

マムシグサ(蝮草)の基本情報・花言葉

マムシグサ(蝮草)は、北海道から九州に分布する、サトイモ科テンナンショウ属の多年草で、雌雄異株、有毒植物です。

学名は、Arisaema serratum

英名は、Jack in the pulpit

花期は4~6月で、仏炎苞に囲まれた中で、まっすぐ立った肉穂花序にたくさんの花をつけます。

苞は緑や紫がかったものがあり、縦方向に線がはいっています。

実は、トウモロコシのような形にたくさんつき、秋に赤く熟します。

球根から延びた茎は、2つの葉鞘に包まれて偽茎になっています。

葉鞘は伸びて2枚の鳥足状複葉がつきます。小葉は7~15枚つきます。

偽茎には、紫褐色の模様があり、マムシの縞模様ににているとして、マムシグサの名前が付けられたといわれます。

根茎を干したものは、生薬の天南星(てんなんしょう)とよばれ、去痰や鎮痙に薬効があると言われます。

花言葉「壮大」「壮大な美」で、5月6日、6月1日、6月6日の誕生花です

参照サイト

Wikipedia マムシグサ 

しろうと自然科学者の自然観察日記 マムシグサ

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