生垣や庭木に植えられるカイズカイブキ(貝塚伊吹)

2021年12月16日

カイズカイブキは、イブキビャクシンの園芸品種で、北海道南部以南で見られるヒノキ科ビャクシン属の常緑小高木針葉樹で雌雄異株です。生垣や庭木などによく植えられていますが、ナシなどの赤星病を媒介するため、植樹が制限されている地域があります。

生垣や庭木に植えられるカイズカイブキ(貝塚伊吹)

カイズカイブキの樹

よく伸びたカイズカイブキの枝

空き地に植えられて大きく育ったカイズカイブキの樹です。

カイズカイブキは、中国や日本に自生するイブキビャクシン(別名ビャクシン、シンパク)から選抜された園芸品種とのことです。

ヒノキ科の針葉樹で、樹高は6~7mになる小高木であり、雌雄異株です。

ご覧のように、枝が幹に巻きつくように伸びており、特徴のある樹形をしています。

生垣や庭木にもよく植えられているので、見る機会は多いのではないでしょうか。

枝や葉が密生するため目隠し効果があり、成長が比較的遅めなので、以前はよく植えられたようです。

カイズカイブキの生垣

カイズカイブキの生垣

散歩で見かけた生垣です。

生育環境は、日当たりの良い砂地などで排水性が良く、肥沃地が適していると言われます。

また、低温には弱いのですが、排気ガスや潮風に強いため、生垣や庭木に植えられてきたようです。

生垣のために刈り込まれると、特有の幹に回り込む様子は見られませんが、葉が密に出るので、目隠しの効果もいいようです。

ただ、樹なので当然のことながら常に成長し、剪定をする必要があるので、忙しい現代人にとっては、難点なんだろうと思います。

カイズカイブキの葉

カイズカイブキはヒノキ科の針葉樹なのですが、ヒノキとは違った感じの葉をしています。

カイズカイブキの葉

ヒノキの葉は平面状に広がっていますが、カイズカイブキは立体的という感じがします。

ただ、よく見ると、どちらも小さな葉が重なって鱗片状になっており、この点は共通しているようです。

拡大したカイズカイブキの葉

遠目には、長細い枝のような葉に見えるのですが、

この写真のように、小さな葉が鱗のように重なってついているのも興味深いと思います。

生垣を見ていると、ときどき、つぎの写真のように、スギの葉のような針状の葉を見かけます。

針状の葉

これは、剪定したあとに出てくる葉ですが、先祖返りと呼ばれているものです。

この樹が持っている遺伝上の性質が現れたものとのことです。

そのままにしておくと増えるので、早めに摘んでしまうほうがいいようです。

植物も、先祖の遺伝子をしっかりと持っているということのようですね。(^_^)

カイズカイブキの基本情報・花言葉

カイズカイブキ(貝塚伊吹)は、イブキビャクシン(伊吹柏槇)の園芸品種で、北海道南部以南で見られるヒノキ科ビャクシン属の常緑小高木針葉樹で雌雄異株です。

イブキビャクシン(伊吹柏槇、別名:ビャクシン、シンパク)は、本州以南の海岸沿いに自生しており、

カイズカイブキは、イブキビャクシンから選抜された品種と言われています。

カイズカイブキにおける、カイズカの由来は、大阪府貝塚市の事ではないかとも言われるようですが、明確でないようです。イブキは、滋賀県と岐阜県の境の伊吹山で多く自生するためという説や、古代に食物を蒸すのにこの枝葉が使われ、「湯気を吹く木」から「息吹き木」とされたという説があります。

学名は、Juniperus chinensis 'Kaizuka'

英名は、Chinese juniper

花期は4月ごろで、雌雄それぞれに小さな花を咲かせますが、観賞価値は低いとされます。

実は直径6~7mmの球果で、開花の翌年に黒紫に熟し、粉白い色を帯びます。

葉は鱗片状で、長さ2~4mm。明るい緑色で、対生します。強度に枝を刈りこむと、3輪生の針葉が現れます。

樹高は6~7mで、刈込みをしないと、側枝がらせん状に回りながら、幹に巻きつくような樹形になります。

樹皮は赤褐色で、ヒノキににて粗く、縦に剥がれ落ちます。

公園や庭木などによく植えられますが、関西地方を中心に生垣にされます。

ナシの近くに植えると赤星病を媒介するため、ナシの産地では植栽が規制されているとのことです。また、ボケやカイドウの近くに植えることを禁止している地方もあるようです。

花言葉は、「援助」

参照サイト・書籍

Wikipedia カイズカイブキ イブキ

木のぬくもり・森のぬくもり カイズカイブキ

庭木図鑑 樹木ペディア カイズカイブキ

木、植物の知識を深めるサイト カイズカイブキ

暮らしーの カイズカイブキ

中川重年著 保育社 「針葉樹」

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