秋に花が咲き、10~11月ごろに実が熟すアキニレ(秋楡)

2021年11月1日

アキニレ(秋楡)は、9月ごろに花が咲き、10~11月ごろに実が翼果になって熟します。日本の中部地方以西で見られるニレ科の落葉高木で、山野や川岸などに自生しますが、街路樹などにもされます。海外では、中国、朝鮮半島、台湾、インドシナなどに分布します。

秋に花が咲き、10~11月ごろに実が熟すアキニレ(秋楡)

アキニレの実

アキニレの実

線路沿いの草地にアキニレ(秋楡)の樹が生え、実がついていました。

調べたところ、実の形から、ニレと思われました。

最初はハルニレかと思ったのですが、ハルニレは4~5月に花が咲いて実をつけ、7月ころに落下するので、

写真のニレは、アキニレだと思われます。

私は、ニレと聞くと、舟木一夫の「高校3年生」を思い出します。歌のニレは、どちらなのでしょうか。

ハルニレは、春に花が咲き、樹高が20~30mで、全国に分布しますが、

アキニレは、9月に花が咲き、樹高は15mほどで、中部地方以西に分布します。

一般的には、ニレというと、ハルニレのことのようです。

実は、ちょっと変わった形で、種の周りに膜状のものがついた翼果で、風で飛ばされて種子散布されます。

残念ながら、花の写真は準備できませんでしたが、本年枝の葉腋に4~6個ずつ集まってつきます。

花被は鐘形で、基部近くまで深く4裂し、雄しべ4本、雌しべ1本で構成されます。(^_^)

アキニレの葉

葉は枝に互生し、形は長楕円形で縁に鋸歯がありますが、写真のように基部が左右非対称になります。

秋に黄葉すると言われますが、こちらの樹はまだ、緑の状態です。

一般的に、樹高は15mほどに、太さは0.6m程度になると言われます。

また、樹皮は灰緑色~灰褐色で、小さな皮目があり、不揃いな鱗片状にはがれます。

この樹は、線路沿いの空き地で見つけたものですが、

つぎの写真のように幹が株立ちになっていました。

アキニレの樹

アキニレの材は、ケヤキの代用として刳(ク)りものや什器の材料にされてきました。

また、樹皮は、縄を作るために使われてきたと言われます。

アキニレの基本情報・花言葉

アキニレ(秋楡)は、中国、朝鮮半島、台湾、インドシナや、日本の中部地方以西に分布するニレ科ニレ属の落葉高木です。

山野や川岸などに自生しますが、庭木や街路樹などにも植えられています。

アキニレの名前は、春に花が咲くハルニレに対して秋に花が咲くためにつけられました。

また、「ニレ」は「濡れ」が変化したもので、樹皮を剥ぐと粘液が生じて幹が濡れたように見えることに由来するとする説や、

韓国名の「nulum」に由来するという説があります。

別名は、イシゲヤキ(石欅)やカワラゲヤキ(河原欅)があります。

材がイシ(石)のように固く、カワラ(河原)で良く自生し、樹形や樹皮の様子がケヤキ(欅)ににていることからつけられたと言われます。

学名は、Ulmus parvifolia

英名は、lacebark elm, Chinese Elm

花期は9月で、本年枝の葉腋に4~6個ずつ集まってつきます。

花被は鐘形で、基部近くまで深く4裂します。また、雄しべは4個、雌しべは1個で、花柱は2裂します。

実は翼果で、長さ1cmほどの扁平な広楕円形になり、10~11月に成熟します。

葉は互生し、長さ2.5~5cm 幅1~2cmの長楕円で、長さ3~6mmの葉柄があり、

縁には鋸歯が見られますが、基部は左右非対称になります。

樹高は15m、直径は0.6mになりますが、

樹皮は灰緑色~灰褐色で、小さな皮目があり、不揃いな鱗片状にはがれます。

花言葉は、「高貴」「尊厳」「威厳」「愛国心」で、3月10日の誕生花です

参照サイト・書籍

Wikipedia アキニレ

庭木図鑑  樹木ペディア アキニレ

情報サイト 誕プレ ニレ

高橋秀男校閲 池田書店 「葉っぱ・花・樹皮でわかる樹木図鑑

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