アカメガシワは、春に赤い新芽をだし、葉が大きくなって柏の葉の代用とされたため、この名前が付けられました。花は6~7月に咲き、7月ごろに実をつけて9月ごろに黒く熟します。日本の岩手・秋田県以南から沖縄に自生するトウダイグサ科の落葉高木で雌雄異株です。
アカメガシワは赤い新芽をだして大きな葉になり、秋に黒い実をつけます
アカメガシワの黒い実
7月になって、アカメガシワ(赤芽槲、赤芽柏)に実がつき始めました。
6~7月の花期が終わり、たくさん咲いていた花の後に、小さな若い実がついています。
アカメガシワは、パイオニア植物であり、樹が伐採された土地や崩壊地、明るい空き地などで、他の植物に先駆けて生えます。
春先にでる新芽が赤く、柏の葉が手に入らない土地ではこの葉を代用して柏餅を作ったとか、柏のような葉だとして、アカメガシワ(赤芽柏、赤芽槲)と名づけられたとされます。
「槲」は、見たことのない難しい漢字ですが、「カシワ」と読みます。
古くは、楸(ヒサギ)と呼ばれたようですが、ゴサイバ(御菜葉)とかアカガシワなどとも呼ばれるようです。
なお、柏餅を包む皮はほかにもあり、サルトリイバラの葉なども使われてきました。
サルトリイバラに興味をお持ちでしたら、つぎの記事をご覧ください。
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上の写真まだ生まれたての小さな実ですが、小さな茎にポツンポツンとついています。
花は、円錐花序になって、たくさんの小さな花を咲かせますが、すべての花に実がつくわけではないようです。
実をよく見ると、周囲にたくさんの突起がついています。
どのような役目を持っているかよくわかりませんが、そのまま長くついているようです。
この実は蒴果で、9~10月ごろになると3~4個に割れ、黒い実があらわれます。
つぎの写真は、昨年の9月に撮ったものですが、実が割れて黒い種が顔を出しています。
意識して撮ったのではないので、写真を見たときはカメムシが写っているのかと思ったのですが、実が割れたところでした。
ご覧のようにカメムシと勘違いしたのは突起の部分です。(⌒ ⌒;)
黒い実は扁球形で、4mmほどの大きさです。
この種が落ちて発芽するのだと思いますが、繁殖力が強いようで、小さな苗が生えているをよく見かけます。
白い花
こちらは、6月に撮ったアカメガシワの花です。
上に伸びた枝の途中から何本もの小さな枝を出し、たくさんのツボミや花をつけています。
花の付き方は円錐花序で、ナンテン(南天)と同じように全体が円錐状になります。
また、アカメガシワは、雌雄異株(シユウイシュ)ですが、こちらが雄雌のどちらかなのか、よくわかりません。(>_<)
赤い新芽
アカメガシワの新芽は、このようにきれいな赤いいろをしています。
アカメと名がつけられるのがわかる気がします。
失礼かもしれませんが、花より、こちらのほうがきれいかもしれません。
この赤い色は、赤い毛がついたもので、手でこするととれて、葉そのものの緑色があらわれます。
赤い毛がつくというのも珍しいかもしれませんね。
葉の形は、広卵形ですが、先がそのまま尖ったものもあれば、3つに割れたものも見られます。
この色なので、遠くからでもよく目につくので、一目でアカメガシワだとわかります。
ただ、最初は赤いのですが、時間がたつと大きくなるとともに、毛が落ちて緑に変化します。
先端の葉は、依然として赤をたもっていますが、しだいに緑に変化しているようです。
6月ごろになると、葉はさらに大きくなり、葉の根元から出た3本の葉脈が目立つようになります。
葉は、光沢がなくざらざらした感じですが、葉脈がきれいにのびて、よく目立ちます。
つぎの写真は、葉を下から撮ったものです。
葉は、(場所によっては対生にもみえますが、)互生し、10cm以上の赤く長い葉柄の先に、長さ7〜20cm 幅5〜14cmの広卵形の葉をつけています。
また、葉の両面には星状の毛がついていており、縁は全縁です。
樹
アカメガシワの樹は、まっすぐ上に伸びるのではなく、このようにくねくねとした形になります。
頂芽の成長が止まり、腋芽(エキガ)がのびる仮軸分岐と呼ばれる性質があるため、このような樹形になるようです。
珍しい形だと思います。(^⊆^)
樹高15m、太さは50cmくらいになると言われますが、この樹は樹高10m、太さ20cmほどでしょうか。
樹皮は灰褐色で、縦に浅い裂け目が見られます。
アカメガシワの基本情報・花言葉
アカメガシワ(赤芽槲、赤芽柏)は、台湾、中国南部や、日本岩手県・秋田県以南から沖縄に自生するトウダイグサ科アカメガシワ属の落葉高木で雌雄異株(シユウイシュ)です。
名前は、春に出る新芽が赤く、葉が柏のように大きいことに由来すると言われますが、
柏の葉が手に入らないところでは代用品として柏餅を作るのに使ったためとの説もあるようです。
柏(カシワ)の代用には、サルトリイバラも使われたと聞きますが、同じような使われ方をしたようです。
古名は楸(ヒサギ)、ゴサイバ(御菜葉)、アカガシワなどとも呼ばれるようです。
ゴサイバは、この葉の上にご飯を盛ったことに由来します。
学名は、Mallotus japonicus
英名は、Japanese Mallotus
花期は6~7月で、枝の先に長さ7〜20cmの円錐花序で小さな白い花をつけます。
雄花には黄色の葯が目立ちますが、雌花序は雄花序よりも小さく、花数が少なく咲きます。
実は蒴果で、直径8mmほどの扁球形になり、9〜10月に褐色に熟しますが、熟すと割れて3~4個の球状の種を出します。
葉は互生し、長さ7〜20cm 幅5〜14cmの広卵形で両面に星状の毛があります。縁は全縁で、先が浅く3裂するものもあります。
また、春先に出る若葉は、赤いのが特徴ですが、時間がたつと緑に変化します。
樹高は5~15m、太さは直径50cmになると言われます。樹皮は灰褐色で、縦に浅い裂け目が見られます。
パイオニア植物で、伐採跡や崩壊地、林縁などの明るいところに多く見られます。
材は柔らかく、床柱・下駄・薪炭に用いられてきたようですが、
樹皮は野梧桐(やごどう)、葉は野梧桐葉(やごどうよう)と呼ばれる生薬として利用されます。
アカメガシワの花言葉は、「繊細」「澄んだ心」。
参照サイト
Wikipedia アカメガシワ
樹木事典 アカメガシワ
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