カワラナデシコは、花びらはピンクや白で、先端が細かく分かれています。万葉の時代から親しまれてきた秋の七種(ナナクサ)の一つで、本州から九州に自生するにナデシコ科の常緑多年草です。河原などに咲く可憐な花(撫子)で、別名は、撫子、大和撫子。
秋の七種(ナナクサ)、カワラナデシコ(河原撫子)のピンクの花
カワラナデシコの花
カワラナデシコの花が、5月から近くの土手で咲いています。
河原などに咲き、可憐な花を撫子(撫でるようにかわいがっている子)のような花だとして、カワラナデシコの名前がつけられたとのことです。
別名は、撫子、大和撫子。中国原産の近縁種である石竹をカラナデシコ(唐撫子)と呼ぶのに対応して、日本のナデシコ、すなわち大和撫子と呼ばれるようになったとのことです。
花の直径は4~5cmで、きれいなピンクをしています。花びらの先が細かく分かれているのが特徴で、たくさんの雑草の中生えていても、ひときわきれいな花で、一目を引きます。
秋の七種(ナナクサ)の一つで、万葉時代から親しまれてきた花です。なお、秋の七種の、萩、尾花、葛については、このブログでも記事にしていますので、ご興味がありましたらお読みください。
カワラナデシコは、絶滅危惧種に指定されている地域もあり、少なくなってきているようですが、我が家の近くでも数本しか咲いていなので、少し心もとなく、頑張って増えてほしいものと思います。
カワラナデシコの茎・葉
草丈は30~80cmくらいで、長く伸びた茎は途中で枝分かれし、その先に複数の花を咲かせています。花びらの先が糸状にたくさんに分かれるのが特徴ですが、華やかできれいだと思います。
葉は、長さ3~9cmの線形~披針形で細長く、基部が茎を抱くように対生してつきます。
私が見るカワラナデシコの花は、ピンク色ですが、
白い花も、よく見られるとのことです。ピンクは華やかですが、白もきれいですね。
栽培品種のナデシコの花との違い
こちらは、私が今年の春に買った栽培品種のナデシコです。
こちらもきれいに咲き、カワラナデシコによく似ていますが、花びらの先端が違っていますね。
中国原産の石竹に近いように思いますが、どうでしょうか。
カワラナデシコの基本情報・花言葉
カワラナデシコ(河原撫子)は、中国、朝鮮半島、台湾や、日本の本州以西から沖縄に分布するナデシコ科ナデシコ属の常緑多年草です。
別名は、撫子、大和撫子。
学名は、Dianthus superbus L. var. longicalycinus (Maxim.) F.N.Williams。
河原に咲く花で、一般的に可憐な花を「撫子」と呼ぶことから、カワラナデシコと名づけられたといわれます。
山上憶良が読んだ「秋の七種」の短歌、「萩が花尾花葛花撫子の花女郎花また藤袴朝顔の花」、に含まれており、古くから親しまれてきました。
日本の女子サッカーチームの愛称の「なでしこジャパン」、のもとになった花でもおなじみです。
花期は4~8月で、花の直径は4~5cm、花びらは5枚で先端は広がって細かく裂けており、雄しべは10本、雌しべは2本ついています。
花の色は、ピンクや白が多く、赤もあるようです。
花が咲き終わると円柱状の実をつけ、先端が4つに分かれて、黒色の種子が出てきます。
葉は対生し、長さ3~9cmの線形~披針形で、基部は茎を抱くようにつきます。
草丈は30~80cmで、長く伸びた茎が途中で別れ、その先に複数の花を咲かせます。
カワラナデシコの花言葉は、ピンクは「純粋な愛」、白は「器用、才能」、赤は「純粋で燃えるような愛」で、7月14日の誕生花です。
なお、カワラナデシコの変種に、北海道及び本州の中部地方以北及びユーラシア大陸に分布する、エゾカワラナデシコ(D.superbus var. superbus蝦夷河原撫子)や、タカネナデシコ(D. superbus var. speciosus、高嶺撫子)があります。詳しくは、Wikipediaをご覧ください。
おわりに
家の近くの土手に、毎年、数本のピンクのカワラナデシコが咲きますが、今年も、5月にたくさんの雑草の中で咲きました。
万葉の時代からした親しまれてきた、秋の七種です、もう少し増えてほしいと思います。(*^^*)
参照サイト・書籍
Wikipedia カワラナデシコ
熊本の自然や文化 秋の七種
GreenSnap カワラナデシコ
林将之著 山と渓谷社 「山渓ハンディ図鑑1 野に咲く花」
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