タネツケバナは、3~5月ごろに白い花を咲かせます。水田近くなどの湿っぽい場所でよく見られますが、細長い実を上向きにたくさんつけ、触れると種を勢いよく弾き飛ばします。名前は、苗を準備するために稲の種を水に漬けるころに花が咲くことに由来します。
タネツケバナは、白い花を咲かせ、細長い実は種を弾き飛ばします
タネツケバナ(種漬花)の白い花
タネツケバナの名前は、稲の種を水に漬けるころに咲くことに由来します。
まだ肌寒い時期に、小さな根性葉をつけ、そこから伸びた茎の先に小さな白い花を、穂状花序でつけます。
個々の花は、直径が4mmくらいで小さいですが、たくさんつくので比較的よく目につきます。
よく見ないとわかりませんが、花びらは4枚、雄しべは4~6個で、可愛い花です。
タネツケバナの細長い実は種を弾き飛ばします
花の周囲に上向いてついているのが、タネツケバナ細長い実です。
このような形の実は、長角果と呼ばれますが、長さ 1~3㎝ 幅1~1.5㎜の細い円柱形です。
秋になると、写真のようにたくさんの実をつけているのを、よく見ます。
草取りをしようとしてこの実に触ると、実がはじけ、種を弾き飛ばします。これでは草取りをながら、タネツケバナを増やすお手伝いをしていることになりますね。これを防ぐためには、実が熟す前、あるいは花が咲いたころに引き抜かないといけないのではないかと思いますね。(⌒ ⌒;)
タネツケバナの葉
タネツケバナは、冬はロゼット状の根生葉(コンセイヨウ)で過ごし、春には、10~30cmくらいの高さの茎をのばします。
2月ごろに見る根性葉はまだ小さく、濃い紫色をしていますが、暖かくなるにしたがって緑に変化します。
茎には、長さが4~14cmで、小葉が7~10個の奇数羽状複葉をつけます。
この葉は食用になりますが、苦みがあるので、香辛料として料理にも使われることがあると言われます。
タネツケバナの基本情報・花言葉
タネツケバナは、北半球の温帯域に広く分布し、日本全土に生えるアブラナ科タネツケバナ属の多年草です。
名前は、種もみを水に漬けるころに花が咲くことに由来します。
学名は、Cardamine scutata。
英名は、bitter cress、toothwort。
花期は3~5月で、茎の先に総状花序で、直径が3~4mmの白い小さな花を咲かせます。
果実は、細長い棒状になり、上を向いてつきます。熟した実は触れると、種が周囲に勢いよく飛び散ります。
葉は、奇数羽状複葉でつき、小葉は頂葉が大きくなります。
茎は下部で分岐して伸び、暗紫色を帯び、短毛が密生します。
草丈は10~30cm。
噛むと辛みがあるため、香辛料として、アイヌ料理などで使われたとのことです。
近縁種に、コタネツケバナ ミチタネツケバナ オオバタネツケバナ オランダガラシ などたくさんの種類があります。
タネツケバナの花言葉は、「勝利」、「不屈の心」、「情熱」、「燃える思い」で、2月3日の誕生花です。
種が飛び散る勢いのいい様子からつけられたのでしょうか。
おわりに
畑やその周辺で草取りをしていると、パラパラと種が勢いよく飛び散ることがあります。
何という名前か調べたところ、タネツケバナでした。
毎年のように経験するので、繁殖を手伝っていることになるんでしょうね。
ちょっと苦みがあって、サラダなんかにいれていいかも、との記事も見ました。
一度試してもいいかもしれませんね。(^_^)
参照サイト
Wikipedia タネツケバナ
三河の植物観察 タネツケバナ
暮らしーの タネツケバナ
富山県内の校庭でよく見かける草花 植物の種や実
花言葉事典 タネツケバナ
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