オウバイとオウバイモドキは、よくにた黄色い花を咲かせ、混同されがちです。ここでは、両者について解説し、違いをまとめました。主な違いは、オウバイは花期が2~4月で一重咲きする落葉低木で、オウバイモドキは花期が3~4月で八重咲きする常緑低木、などです。
オウバイ(黄梅)とオウバイモドキ(黄梅擬、ウンナンオウバイ)の違い
オウバイ(黄梅)
オウバイの花
オウバイは、中国名では「迎春花」と呼ばれ、
聴くだけでウキウキしてくる名前だと思います。
春は黄色い花が多いと言われますが、その先駆けになる花のようです。
オウバイの花は、2cmくらいの大きさで、5枚の円形に近い花弁をつけます。
落葉低木で、葉がでる前に、つぎの写真のように黄色い花を咲かせます。
ロウバイ(蝋梅)の花が最盛期をすこし過ぎたころから、引き継ぐように咲きだしました。
ロウバイにくらべて小さな樹で、花の派手さもそれほどではなく、香りもあまりないようですが、
垂れ下がった枝にたくさんの可憐な花をつけ、花がまだ少ない時期に楽しませてくれます。
オウバイ(黄梅)もロウバイ(蝋梅)も、梅ではないのですが、名前に梅がはいっています。
梅の花は、昔からそれだけ存在感があったのだろうと想像します。
オウバイとロウバイの違いについては、関連投稿をご覧ください。
オウバイの茎・枝
オウバイの茎は、細くて角ばっており、半つる性なので、茎や枝は垂れ下がります。
写真は我が家のオウバイです。
したに70cmくらい伸びていますが、枝には葉がまだ見られません。
元気がないようなので、今年は咲かないのかと思っていましたが、少ないながら咲いてくれました。(^⊆^)
樹高は1~2mと言われるので、まだまだのびそうです。
こちらの写真のオウバイは、大きく育ち、たくさんの枝がみごとに垂れ下がっています。
うまく育てると、このように枝が長く伸び、たくさんの花が咲くんですね。
オウバイの基本情報・花言葉
オウバイは、中国北部・中部が原産で、モクセイ科ソケイ属のつる性落葉低木で、日本には、17世紀ころに伝来したと考えられています。
梅の花ににた黄色い花が咲くので、オウバイ(黄梅)と名づけられました。
漢名は、迎春花。
学名は、Jasminum nudiflorum
英名は、winter jasmine
花期は2~4月で、葉が出る前に、6枚の花びらが根元で合着した「合弁花」を咲かせます。
花の直径は2~2.5cmで、横から見ると長い筒状になっており、ウメの花とは全く違っています。
葉は対生で3つの小葉をつけます。枝は緑色で断面は四角っぽい形になります。
枝はつる状に垂れ下がる「半つる性」で、枝が地面につくと発根し、新しい株ができます。
このため。挿し木で簡単に増やすことができます。
<栽培方法>
- 日光を好む植物で、日陰では生育や花つきが悪くなります。 土質を選ばず、どこででも育てやすい植物です。
- 寒さに強いのですが、地植えする場合は、東北地方南部が北限となります。
- 刈り込みに強いのですが、枝や花が下垂する姿を観賞するのが自然であり、植栽には相応のスペースが必要です。また、花が咲くのは前年に伸びた枝であり、秋~冬に剪定すると花数が少なくなるので、注意が必要です。
オウバイの花言葉は、「控えめな美」「期待」「恩恵」で、1月22日、2月20日、3月6日の誕生花です。
「控えめな美」は樹や花の姿から、
「期待」は寒い時期に咲いて春を感じさせてくれることに由来すると、言われています。
オウバイモドキ(黄梅擬)
オウバイモドキの花や葉
オウバイモドキはオウバイの近縁種で、別名はウンナンオウバイ(雲南黄梅)です。
日本に入ってきたのが明治初期なので、17世紀ころに伝来した先輩のオウバイににているとして、モドキという気の毒な名前が付けられたようです。
オウバイモドキの花期は3~4月でオウバイより少し遅く、花の大きさは3~4cmと大きめです。
また、花びらは6~10枚が重なったようにつくので、二重咲きや八重咲きのように見えます。
また、オウバイモドキは常緑樹なので、1年中葉がついています。
花が咲く時期に葉がないオウバイとはこの点でも違います。
葉は対生し、3小葉又は単葉で、葉柄は長さ0.5~1.5㎝。葉の形は、広卵形~楕円形で先が尖り、ほぼ無毛。
頂小葉は長さ2.5~6.5㎝ 幅0.5~2.2㎝で、側小葉は長さ1.5~4㎝ 幅0.6~2㎝になります。
オウバイモドキの茎や枝
オウバイモドキの茎も、オウバイと同じように角ばっていますが、半つる性の常緑性低木なので、
オウバイと同じような樹形になり、茎や枝は垂れ下がります。
写真のように、葉がついた枝が垂れ下がり、たくさんの花をつけます。
オウバイモドキの基本情報・花言葉
オウバイモドキは、中国西南部原産で、モクセイ科ソケイ属のつる性常緑低木です。
別名はウンナンオウバイ(雲南黄梅)ですが、雲南省に自生しているわけではないようです。
学名は、Jasminum mesnyi
英名は、Japanese jasmine, primrose jasmine
日本には、明治初期に伝来したと言われます。オウバイより遅くはいってきたので、モドキとつけられたと思われます。
花期は3~4月で、オウバイより少し遅れて黄色い花が咲きます。
花の直径は4~5cmほどでオウバイより大きく、花びらが6~10枚に分かれるので、二重あるいは八重咲きに見えます。
葉は対生し、3小葉又は単葉で、葉柄は長さ0.5~1.5㎝。
葉の形は、広卵形~楕円形で先が尖り全縁で、ほぼ無毛。
頂小葉は長さ2.5~6.5㎝ 幅0.5~2.2㎝で、側小葉は長さ1.5~4㎝ 幅0.6~2㎝になります。
枝はつる状に伸び、新しい枝は緑色だが、古くなると灰色っぽく変化します。
また、枝の断面はオウバイと同じように、四角形になります。
樹高は1~2m。
<栽培方法>
- 日当たりが良く、水ははけのいい環境を好みます。日陰では、花つきが悪くなるので、注意が必要です。
- 土質を選ばないため、どこでも育てやすいのが特徴です。
- 寒さに強いため、東北地方南部以南で植栽することができますが、冷たい風は避けます。
- 肥料は1~2月ごろ、 緩効性化成肥料を株元に与えます。
- 植え替えや植え付けは、3~4月または、9~10月に行います。
- 増やし方は、梅雨のころに、挿し木で行います。 枝や花が下垂する姿を観賞しますが、広がりすぎるため、花の直後に剪定し、大きさを維持するようにします。
オウバイモドキの花言葉は、「恩恵」「優美」「別離」「愛らしさ」「素直で、6月8日、6月10日の誕生花です。
オウバイとオウバイモドキの違い ~まとめ~
以上、オウバイとオウバイモドキについて書きましたが、違いを一覧表にまとめました。
両者を見分けるには、花の大きさや形、それと落葉性か常緑性などの点がポイントになるようです。
オウバイ | オウバイモドキ | |
花期 | 2~4月 | 3~4月 |
花の形 | 一重 | 二重か八重 |
花の大きさ | 2~3cm | 4~5cm |
花と葉の関係 | 葉だ出る前に開花 | 葉がある状態で開花 |
樹の種類 | 半つる性落葉低木 | 半つる性常緑低木 |
参照サイト
花言葉-由来 オウバイ
花散歩道 ウンナンソケイ、オウバイモドキ
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