コウヤマキ(別名ホンマキ)は、日本固有種で、水に強いため家の土台用建材や橋梁、風呂桶などの水回りに使われ、仏花としても利用されます。古墳時代には木簡や木棺にも使われていたと言われます。いまは、木曽や高野山に多く植えられています。
水回りの用材や仏花などに利用されるコウヤマキ(高野槙)
コウヤマキの葉
コウヤマキは、ホンマキとも呼ばれる常緑針葉樹で、日本固有種です。高野山に多く自生していることからコウヤマキと名づけられましたが、日本書紀の時代から水に強い有用な材とされ、日本の古墳時代から木簡や木棺につかわれたと言われます。
現在でも、湯船や橋梁など、耐水性が必要な場所で使われます。
また、よく知られているように、コウヤマキの枝先の葉は、シキミやヒサカキと同じように、お墓に供えられます。
きれいな形をしているのと、常緑針葉樹なので一年を通じて青々しているので、いつでもお供えすることができます。
コウヤマキは、庭木で植えられたり、山にも生えていますが、鹿などの動物に食べられることがないようです。食べても消化しにくいのでしょうか?
このことも、お供えにするためにはこの点も都合がいいと言えるのだろうと思います。
コウヤマキの葉は、写真のように細長く、長さ6~13cm 幅3~4mmで、枝の先に20~30個ほどのたくさんの葉が輪生します。
葉は柔らかく、先端がまるくなっていて、触ってもいたくありません。
コウヤマキの雄花
コウヤマキ(高野槙)の雄花の花期は3~5月で、写真のような楕円形の小さな花が、枝先に20~30個かたまって、4cmほどの大きさの穂状花序(スイジョウカジョ)でつきます。
コウヤマキは、雌雄同株(シユウドウシュ)なので、同じ樹に雄花と雌花をつけます。
コウヤマキの実
写真が、コウヤマキの実、松笠です。
長さ8~12cm 直径8cmほどの楕円形で、この中に種が入っています。ただ、この種をまいても、なかなか発芽しません。
挿し木も、発根率は良くないようです。何か秘訣があるのかもしれません。
私は、何度か挑戦しましたが、一度も発芽しませんでした。(⌒ ⌒;)
コウヤマキの樹皮
写真のように、コウヤマキの樹皮は、灰褐色~赤褐色で、縦方向に裂け、剝れます。
コウヤマキの基本情報・花言葉
コウヤマキ(高野槙)は、日本固有種で、福島県以南、宮崎県以北に分布するコウヤマキ科コウヤマキ属の常緑針葉樹です。
秋篠宮悠仁親王のお印の樹になっています。
コウヤマキは、新第三紀以前は世界的に分布していましたが、現在は、日本と韓国の済州島にだけ残っているとのことです。
名前の由来は、高野山に多く自生していることによるといわれます。別名はホンマキ。
学名は、Sciadopitys verticillata
英名は、Japanese Umbrella-pine
花期は3~5月で、雄花はクリーム色、雌花はオレンジ色を帯びた緑色になります。花の後には、長さ8~12cm、直径8cmほどの楕円形の松ぼっくりができ、褐色に熟します。なかに入っている種は1㎜ほどの楕円形で小さな翼がついています。
長い枝の先にたくさんの短い枝が輪生し、その先に20~30本ほどのたくさんの葉がつきますが、葉は長さ6~14㎝、幅3㎜ほどの線形です。
樹高30m以上、直径1m以上の大木になるとのことです。
古墳前期の古墳の木棺には、コウヤマキの大木をくりぬいて作られたものが、多いといわれます。
また、日本書紀には、スサノオミコトが、抜いた毛が、マキ、スギ、クスノキ、ヒノキになったとし、それぞれの木の適した使い方が書かれています。
花言葉は、「奥ゆかしさ」で、9月6日の誕生花です。
「奥ゆかしさ」は、水につよく常に緑を保った、気品のある清楚な姿に由来するのでしょうか。
また、誕生花は、悠仁親王のお誕生日になっています。
参照サイト
樹木図鑑 樹木ペディア コウヤマキ
暮らしーの コウヤマキ