センダン(栴檀)の白や黄色い実と、花や葉など

2020年12月11日

冬のセンダンの樹には、白や黄色の実がたくさんついています。ヒマラヤ原産の落葉高木で、公園樹や街路樹などに植えられていますが、材は杢目が綺麗なことから、建築材、家具、器具材などに利用されます。ここでは、センダンの実と、花や葉などについてまとめました。

センダン(栴檀)の白や黄色い実と、花や葉など

センダンの実

たくさんのセンダンの実(11月)

センダン(栴檀)は、ヒマラヤ地方原産といわれるセンダン科センダン属の落葉高木です。

名前は、秋に熟した黄色い実がたくさんついている様子を「千団子(センダンゴ)」と呼んでいたことからセンダンとよばれるようになったなど、いろんな説があるようです。

別名として、アフチ(棟)、オオチ、オウチ、アミノキなどと呼ばれたことがあるそうです。

栴檀は双葉より芳し」と言われますが、この言葉の「栴檀」は、香木として知られる白檀のことで、ここで扱っているセンダンとはちがうようです。

日本では、関東地方以南の暖かい地方に自生しており、庭木や公園樹、街路樹としても植えられています。

熟したセンダンの実

センダンの実は15mmほどの大きさで、写真のように黄褐色に熟し、葉が落ちた後も、樹にそのまま残ります。

実にはサポニンが含まれているため、人がたくさん食べると中毒をおこすとのことですが、カラスやヒヨドリなどは食べるようです。

昨年のセンダンの実

こちらは、昨年のセンダンの実です。表面にしわができ、いろは濃い茶色になっています。

実には薬効があり、あかぎれやしもやけに外用され、整腸薬や鎮痛剤として内服されてきたとのことです。

センダンの花と葉

センダンの花

センダンの花は、5~6月ころに咲きます

花は、枝の葉の付け根(葉腋(ヨウエキ))から集散花序を出してたくさんの小さな花を咲かせます。

つぎは、5月25日にとったセンダンの花です。

近くで見たセンダンの花

淡紫色で、香りがする可愛い花で、花びらが5枚、雄しべは10本つきます。

中心部で長く伸びているのが雄しべでしょうか、きれいな紫いろをしています。

そして、7月初めにはつぎのように実がたくさんついていました。

若いセンダンの実

この実がやがて熟し、、前にかいたように白く変わります。

センダンの葉は、つぎのような形をしています。

センダンの葉

こちらは、センダンの小苗ですが、ご覧のように、小葉は卵状の楕円形で切れ込みが見られ、2回奇数羽状複葉で、互生しています。

余談ですが、ひっつき虫のセンダングサは、葉がセンダンににているのでセンダングサと名づけられたとのことです。

葉には、除虫効果があり、昔から防虫のために使われてきたと言われます。

このためでしょうか、鹿も食べないようです。(^_^)

センダンの樹

センダンの樹

センダンは樹高が7~20mになり、成長ははやいと言われます。写真は近くの公園のセンダンですが、枝を大きく広げ、高く伸びています

植えてから20~30年と早く育って製材できるため注目されており、耕作放棄地などに植えられている地方もあるようです。

センダンの幹

樹皮は、縦に裂け凹凸が見られます。

材は、ケヤキや桐の杢目(モクメ)ににており、建築用材や建具などに適しているようです。

センダンの基本情報・花言葉

センダンは、ヒマラヤ原産で、中国、台湾、朝鮮半島や日本の関東地方以南に分布するセンダン科センダン属の落葉高木です。

名前は、落葉後、枝に残った実が数珠を重ねたように見えることからセンダマ(千珠)の意味でつけられたとする説、

三井寺の鬼子母神祭の千団子に見立てたとの説、

梵語からの変化したとする説、などがあるようです。

別名は、アフチ(古名)、オオチ、オウチ、アミノキなどがあります。

アフチは「淡い藤」からから変じたものと言われます。

学名は、Melia azedarach

英名は、chinaberry

花期は5~6月で、本年枝の基のほうの葉腋から10~15cmの複集散花序を出し、2cmほどの淡紫色の小さな花を咲かせます。

萼は卵形でやや尖ります。

花びらは5枚、8~9mmの倒披針形で表は白色、裏が薄紫色になります。

10本の雄しべは濃紫色をしています。

果実は核果で、10~12月に黄褐色に熟します。

葉は互生し、50cm以上の2~3回羽状複葉になり、小葉は卵状楕円形で長さ3~6cm、幅1~2.5cmになります。

樹高は通常は7~20mで、太さ25cmになり、樹皮は赤褐色で、縦に割れます。

センダンは、公園樹、街路樹、庭木などによく植えられますが、材は建材、家具、器具用材などに使われます。

また、果実は苦楝子(くれんし)や川楝子(せんれんし)と呼ばれる生薬で、ひび、あかぎれ、しもやけに外用されます。

整腸や鎮痛剤などとしての効果もあるとされ、利用されてきたようです。

なお、センダンの樹は、平安時代以降から江戸時代ころまで、斬首された首を吊るす樹として使われたとのことです。

これは、センダンに防虫効果があるためではないかとする説があるようです。 

遠い昔のことですね。ヽ('ー`)ノ

花言葉は、「意見の相違」で、6月14日の誕生花です

参照サイト・書籍

Wikipedia センダン

木のぬくもり・森のぬくもり センダン

弥生おばさんのガーデニングノート「花と緑の365日」 センダン

高橋秀男校閲 池田書店 「葉っぱ・花・樹皮でわかる樹木図鑑

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