ススキは、古名ではオバナ(尾花)と呼ばれ、秋の七草(七種)として、お月見などにも生けられる、親しみのある野草です。すくすくとよく伸びる意味の「スクキ」が変化してススキ、キツネの尾っぽのようだとしてオバナと名づけられたとも言われます。
秋の七草(七種)、ススキ(オバナ、尾花)
山のススキ(芒、薄)
ススキは、漢字では「芒」や「薄」と書きますが、万葉集で、山上憶良が読んだ七種(ナナクサ)の歌で詠われているオバナ(尾花)のことで、イネ科ススキ属の多年草です。
昔から、お月見にも飾られ、知らない人はいないだろうと思います。
写真は、道路沿いに咲くススキと山並みです。山のススキは、樹が生えていない日当たりに生えています。
どこまでも続く山並みの中ですが、この山の中にもススキが生えています。
昨年、たまたま見つけた穂が丸まったススキ。
こんなのもあるんだ思って撮ったものです。
きれいに丸まっています。
なぜ、こんな形ができたんでしょう。 (^.^)
つぎは、よく見る広い草原のススキです、見事ですね。
草原は、そのまま放置しておけば次第に樹木が生え始め、時間が経過すると、樹木が優先するようになると聞きます。
こちらは、この草原でも毎年月に山焼きを行うそうです。
魔除けとしてのススキ
ススキは、屋根の材料にされたり、家畜の餌など、生活に利用されてきたそうですが、
一方で、魔除けの力があると考えられてきたと言われます。
お月見には、ススキが供えられますが、これは収穫物を悪霊や魔物や魔物や災いから守り、
翌年の豊作を願う儀礼であったのではないかとの説があります。(湯浅浩史著「植物と行事」)
お月見に供えられた後のススキは、豊作や魔除けを願って、庭に挿したり、家の門口に挿すことがあったそうです。
同じような風習は、沖縄や台湾などにもあり、豊作や悪霊を防ぐことを願ってのこととされています。
なぜ、ススキにこのような力を持つと考えられたかというと、葉にうっかり触るとけがをするような、鋭いギザギザを持つためではないかとされます。
ススキの葉に触ったことがあるでしょうか。
うっかり触ると、手を切ります。 "/(;-_-)
写真のように、葉の縁にはギザギザ(鉤状(コウジョウ)と呼ぶそうです)がついています。
このため、葉の上から下の方向に、手をずべらすと、ケガをする危険があります。
持つ場合は手袋をするか、滑らないようにしっかりと握るようにした方がいいでしょうね。
このような機能?をそなえていることから、近寄る悪霊を追い払う力があると考えられたようです。
面白いですね。 (^u^)
ススキに、魔除けの力があるとは思ってもみなかったので、少々驚きました。
ススキの基本情報・花言葉
ススキ(オバナ、尾花)は、中国、台湾、朝鮮半島や、日本全土に分布するイネ科ススキ属の多年草です。
北アメリカでは、侵略的外来生種として増えているようです。
沖縄では、草丈が5mにも達し、常緑性になるとのことです。(本土では冬に枯れますよね。)
「ススキ」の名前は、すくすくと伸びる姿を「スクキ」と呼んでいたものが、変化したと言われます。
古名の「尾花」は、穂がキツネの尻尾ににていることに由来し、
山上憶良が読んだ秋の七種の歌に読まれています。
学名は、Miscanthus sinensis
英名は、Japanese silver grass,、miscanthus,、など
花期は9~10月で、茎の先に20~30cmの長さで十数本の花穂をつけます。
穂は赤味を帯びますが、種子を収めたエイカ(穎果)には白い毛が生えるため、全体は白っぽくなります。
葉は細長く、根出葉や茎(稈)から、たくさんでます。
また、ケイ酸を含むため堅くなり、縁は鋭いギザギザがつくため、
扱うときは手袋をするなど気をつける必要があります。
地下には短かくしっかりした地下茎があり、たくさんに花茎を伸ばし、
草丈は高さは1から2mほどになります。
植物遷移の面からは、ススキの草原は草原としてはほぼ最終段階になります。
草原の初期には見られませんが、次第に根を張って増殖し、全体を覆うようになります。
そのまま放置すれば、アカマツなどの先駆(パイオニア)の樹木が侵入し、森林へと変化します。
このため、ススキの草原を維持するためには、野焼きなど、人が手をくわえる必要があります。
昔は、カヤ(茅)と呼ばれ、家屋の屋根を葺くために使われたり、家畜のエサなどに利用されてきました。
また、穂でミミズクをつくるように、昔から親しまれてきた野草です。
花言葉は、「活力」「心が通じる」で、9月15日の誕生花です。
参照サイト・書籍
Wikipedia ススキみんなの趣味の園芸
湯浅浩史著 朝日選書 「植物と行事」
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