ウリノキの花は、白く細長い花びらがそり反って長さが3cmほどになり、黄色い雄しべが垂れ下がって、人形のような形になります。葉がウリににているためウリノキと命名されました。日本全土に分布するミズキ科の落葉小高木-低木で、樹高は2~4mになります。
ウリノキは人形のような形の白い花を咲かせ、ウリににた葉をつけます
ウリノキ(瓜の木)は、北海道から九州の山地に分布するミズキ科ウリノキ属の落葉小高木-低木で、樹高は2~4mになります。
ウリノキの名前は、葉が瓜の葉に似ていることから名付けられたと言われます。
特徴のある葉なので、わかりやすい樹ですが、花もユニークな形をしているので、すぐにわかります。
ウリノキの人形のような花
私は、数年前までこの花を見たことがありませんでした。
ある時ふと目に留まり、それ以来毎年、咲くのを楽しみにしています。
何と例えればいいのでしょうか、人形? 灯篭? クラゲ? 宇宙人? タコ?、のような形とでもいうのでしょうか。愛嬌がある花だと思います。
ホームページを見ていたら、風鈴や提灯のようだと書かれていました。なるほどそのようにも見えますね。
植物の形態の多様性には、いつも驚き、感心します。
このように面白い花が咲くので、庭木にしても面白いようにも思いますが、どうでしょうか。
この写真では、まっすぐ伸びた複数の蕾のがついている中で花が咲いています。蕾の長さは3cmほどで、長く伸びています。
花が咲くと花びら6枚が上に巻きあがり、黄色く伸びた7~8本の雄しべが垂れ下がっています。その中に1本雄しべより長く伸びた白いものが見られますが、これが雌しべです。
花の後につける実は約7mmの楕円球形の核果で、秋に黒紫に熟します。種は発芽しやすいようで、樹の近くで実生苗をよく見かけます。
また、挿し木を試したことがありますが、問題なく発根しましたので、増やすのは難しくなさそうです。(^_^)
この写真のように、枝にはたくさんの花や蕾がついて賑やかです。
そして、次々に花が咲いてくるので楽しめます。
ハチなどの昆虫もたくさん集まってきます。この写真には、ハチが雄しべの中に潜りこんでいるのが映っています(中段左側)。
この季節は、百花繚乱と言われるように無数の花々が咲き乱れており、昆虫にとっては忙しくうれしい時期のようです。
なお、ウリノキの果実は核果で、7mmくらいの楕円球形で、秋に黒く熟します。
ウリノキの葉
ウリノキの名前は、ウリの葉に由来するとのことです。樹につく葉としては、あまり見かけない形だと思います。
写真のように、葉は3~5裂して10~20cm、葉柄は4~10cmで、枝に互生します。
この樹は、4mくらいでしょうか。
岩場のような所に育っていますが、写真のようにたくさんの蕾がついています。
秋には実は紫に熟しますが、鳥も食べにくるのだろうと思います。
ウリノキの基本情報
ウリノキ(瓜の木)は、中国、朝鮮半島や日本全国に分布する、ミズキ科ウリノキ属の落葉小高木-低木です。
ウリノキの名前は、葉が瓜の葉ににていることに由来します。中国名は、八角楓とのことです。
学名は、Alangium platanifolium var. trilobum
花期は5~6月で、集散花序で数個の花を咲かせます。花びらは細長く約3cmで、6枚あり、大きく反り返ります。雄しべは黄色く、長く下に伸びます。その中に、白い雌しべが1本ついています。蕾は細長い円柱形で、長さは約3cm。
実は核果で、7mmくらいの楕円球形であり、秋に黒く熟します。
葉は、葉柄が4~10mmで互生し、長さ、幅は7~20cmで、先端が浅く3つくらいに分かれますが、まれに、分裂しないものも見られます。
樹高は2~4mになるといわれ、ほぼ直立します。樹皮は灰色で、皮目が見られます。
ウリノキの花言葉、誕生花は不明です。
参照サイト・書籍
Wikipedia ウリノキ
松江の花図鑑 ウリノキ
林将之編「山溪ハンディ図鑑14 樹木の葉」