サザンカ(山茶花)とツバキ(椿)は、冬の同じころによくにた花を咲かせ混同しがちです。ここでは、サザンカについて解説するとともに、ツバキとの違いをまとめました。サザンカとツバキは、花期や、花の付き方、花の落下の様子、などから見わけがつきます。
サザンカ(山茶花)とツバキ(椿)の違い
サザンカ(山茶花)について
写真は、我が家の庭の山茶花の花です。綺麗に整った八重咲きの可憐な花で人を惹きつけます。
山茶花は、山口、四国、九州以南に自生する樹高2~8mの常緑小高木で、庭木や街路樹に利用されています。
サザンカは、花があまり見られない寒い時期に咲いてくれるので、ありがたいですね。
サザンカの樹には、つぎのような特徴があります。
野生種のサザンカの花期は10~12月(栽培種では長く咲くものもあるようです)で、花柄はほとんどなく、花びらは5〜7枚で、長さは、3~4cmです。また、花は平面状に咲き、花が散るときは花びらがバラバラになって落下します。
果実は、直径1.5〜2cmの球形で、中の種は褐色で長さは約1cmです。
葉は革質で互生し、長さは3〜7cm 幅2〜3cmの長めの楕円形で、葉柄があり、縁に鋸歯があります。
樹高は2~6mで、樹皮は灰褐色でなめらかです。
野生種は、比較的寒さに弱いようですが、品種改良により強いものも開発されてきているといわれます。
また、サザンカは「冬」の季語で、 花言葉は全般には「困難に打ち勝つ」ですが、花の色によって個別につけられています。
我が家のようなピンクは「永遠の人」です。また、白は「愛嬌」、赤は「謙譲」だそうです。
サザンカについては、つぎの記事にまとめていますので、あわせてお読みください。
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晩秋に咲き始めるサザンカ(山茶花)のピンクや白い花
11月になって、サザンカのピンクや白い花が咲き始めました。童謡にも歌われる馴染み深い樹ですが、晩秋から2月ごろまでの寒い時期に咲いて楽しませてくれます。ツバキににた花が咲きますが、平面的に咲き、咲き終 ...
よく似た樹に椿があり、良く比較されます。つぎに、ツバキについて見てみましょう。
ツバキ(椿)について
まだ写真は、まだ蕾ですが、山で咲いているのを見かけます。
ツバキについては、別に記事に書いていますので、詳しくはそちらをご覧ください。
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早春から、赤、ピンク、白などの花を咲かせるツバキ(椿)
ツバキ(椿)は、2~4月ごろに、赤、ピンク、白などに咲くツバキ科の常緑高木広葉樹です。花は、カップ状の半開きで咲き、花びらは一体になって落ちます。朝鮮半島南部、台湾や日本の北海道南西部以南に自生します ...
以下、簡単にツバキについて述べます。
日本原産の常緑小高木~高木で、本州、四国、九州以南に自生しています。海岸沿いや山地に多く、庭木や防風林としても植えられます。
花期は2~4月で、花びらは5枚で赤く(ヤブツバキの場合)、枝の先端に下向きに咲きます。花びらの長さは3 ~ 5 cmで、ラッパ状で、先端は大きくは開きません。
5枚の花びらと、たくさんの雄しべの花糸の下半分が合着しているため、花が散るときは花全体がまとまって落ちます。
実は球形で、9 ~ 10月に熟し、実が割れると2 ~ 3個の黒褐色の種が出てきます。
葉は厚く濃い緑色で光沢があり互生します。長さ5~10cm 幅3~6cmほどの長楕円形で先が尖り、細かな鋸歯があります。
樹高は5~15mですが成長が遅く、寿命が長いといわれます。樹皮はなめらかで、褐灰色~黄褐色です。
材は、盆やワンの生地、将棋の駒などに利用されます。また、種子からは椿油がとれ、東京都の伊豆大島や長崎県の五島列島などが産地として有名です。
山茶花もそうですが、椿も改良品種がいろいろ開発されているようです。
下の写真は、我が家で買った「夢」と名付けられた椿です。まだ、小さな苗ですが綺麗な花をたくさん咲かせてくれます。
ツバキは、「春」の季語になっています。
また、花言葉は一般的には、「控えめな優しさ」「控えめな美」です。
控えめとつけられたのは、花に香りがないためだそうです。 こちらもサザンカと同じように花の色によって違っているようです。
サザンカ(山茶花)とツバキ(椿)の違い(見分け方)
両者の花の違いは、以下のようになります。
サザンカ | ツバキ | |
花の散り方 | 花びらがバラバラと落ちる | まとまって落ちる |
開花時期 | 10~2月 | 2~4月 |
花の形 | 平面的で薄い | ラッパ状で立体的 |
葉裏の葉脈 | 細かな毛 | 毛がない |
なお、花のある時期は見分けがつくと思いますが、それ以外の時期には、葉裏の葉脈毛の有無で見分けることになります。
また、サザンカの花期は、品種によっては2月頃まで咲くことがあるので、注意が必要です。\(^G^)/*
参考サイト・書籍
高橋秀男校閲 池田書店 「葉っぱ・花・樹皮でわかる樹木図鑑」
林将之著 山と渓谷社 「山溪ハンディ図鑑14 樹木の葉」