ガマ(蒲)は北半球の湿地を中心に広く分布するガマ科ガマ属の多年草です。湖沼や河川の浅瀬に群生し、細長い葉と円柱形の褐色の穂が特徴で、初夏に開花し、綿毛状の種子を風で散らします。水辺の景観植物として知られ、穂は昔から灯芯や民具に利用されてきました。
ソーセージのような穂が楽しいガマ(蒲)
ガマの穂
ガマの穂
いつも行く散髪屋のそばに湿地があり、毎年ソーセージのようなガマの穂がつきます。
中には入れないため、外部から見るだけなのですが、ガマ(蒲)は泥の中に地下茎を伸ばして群生する抽水植物(水草)なので、湿地になっているんだろうと思います。
ガマの生育地は、北アジア、南ヨーロッパ、オーストラリアなど幅広く、北半球の温帯から熱帯にかけての日本を含む温暖な地域や、オーストラリアなどの広範囲に分布する、ガマ科ガマ属の多年草で、抽水植物です。
日本では、ガマ、ヒメガマ、コガマの3種類が分布しています。
日本では北海道から九州にかけて全土に分布し、池や沼、河川の岸辺など浅い水辺に自生しており、『古事記』(712年編纂)にも「因幡の白兎」の話で知られているように、古くから日本に自生していました。
「因幡の白兎」では、大国主命が、ワニに皮を剥ぎ取られた白兎に、ガマの花粉をぬるよう教えたとされます。
その後も、このガマの雄化穂から出る花粉は、同属のコガマ、ヒメガマとともに、集めて陰干ししたものが生薬となり、蒲黄(ホウオ)と呼ばれ薬用にされてきました。
名前は、かつてこの植物の葉を編んで「むしろ」や敷物を作っていたことから、朝鮮語で「材料」を意味する「カム」に由来するという説や、アルタイ語で「葦(アシ)」を意味する「Kama」が濁音化したという説があります。
別名は、ミズクサ、古くはカマとも呼ばれていたとされます。キツネノロウソク(狐の蝋燭)とも言われます。
蒲鉾(カマボコ)、蒲焼き(カバヤキ)、蒲団(フトン)など、蒲に由来することばは、Wikipediガマに掲載されています。いずれも、ガマを使ったことからつけられたとのことで、興味深くおもいます。
植物園のガマ
こちらは、以前、大阪公立大学附属植物園で撮らせてもらったものです。
水を張った容器で育てられており、茎の先にソーセージ状の穂がついていますが、こちらは雌花穂と呼ばれ、この中に綿毛が付いた種をつくります。
その上に細く伸びているのは、雄花がついていた部分です。
雄花にも雌花にも、花弁はなく、蕊だけで構成されているのですが、雄花の雄しべの葯についた花粉が蒲黄(ホウオ)にされます。
花言葉は、「従順」「素直」「慌て者」「無差別(無分別)」「救護」「慈愛」「予言」など。
「慈愛」や「救護」という花言葉は、『古事記』に記された「因幡の白兎」の神話に由来します。
大国主命(オオクニヌシノミコト)が、ワニザメに皮を剥がされて泣いていた白ウサギに対し、「真水で体を洗い、蒲黄(ガマの花粉)を敷き散らした上で転がりなさい」と治療法を教え、ウサギを救護したという優しさに由来するとされます。
また、「素直」という花言葉は、茎が枝分かれせずにまっすぐと天に向かって長く伸びるその姿にちなんでいるとされています
ガマの綿毛
雌花穂の実が熟すと、中には綿毛に包まれた、たくさんの実が入っていています。手で触ったりすると爆発するように飛び出してきます。
その種が水に落ち、発芽して増えていきます。
「静岡科学館 る・く・る」のYoutube ガマの穂ふわふわ大爆発!?では、その様子が紹介されています。
ガマの茎、葉
ガマの茎
こちらが、大阪公立大学附属植物園でガマを育てている容器の様子です。
地下茎が泥の中で長く伸び、そこから茎が枝分かれせずに上にのび、穂状の花を咲かせ、ソーセージをつけます。
ガマの茎、葉
葉は、全縁で緑白色で厚みがあり、幅1~2cmほどの細長い線形です。茎の下部を鞘(さや)状に抱き込むようにして付きます。葉の断面は三日月形で、内部はスポンジ状になっており、仕切られた通気道が通っています。
草丈は、およそ1.5~2.5mほどになります。
面白い形の穂をつけると思っていましたが、爆発するとは知りませんでした。古事記の時代から身近だった植物、ずっと生き続けてほしいものです。
ガマの基本情報・花言葉
原産地、属性、特徴
ガマは、ガマ科ガマ属に分類される多年草で、水中の泥の中に地下茎を伸ばして群生する抽水植物(水草)です。
原産地は日本、北アジア、南ヨーロッパ、オーストラリアなど幅広く、北半球の温帯から熱帯にかけての温暖な地域や、オーストラリアの広範囲に分布しています。
日本では北海道から九州にかけて分布し、池や沼、河川の岸辺など浅い水辺に自生しており、『古事記』(712年編纂)にも登場するように、古くから日本に自生していました。
また、水質の浄化に役立つほか、水生生物の産卵場所や避難場所、またニカメイガなどの特定の蛾の幼虫の食草としても重要な役割を果たしています。
名前について
「ガマ」は、かつてこの植物の葉を編んで「むしろ」や敷物を作っていたことから、朝鮮語で「材料」を意味する「カム」に由来するという説や、アルタイ語で「葦(アシ)」を意味する「Kama」が濁音化したという説があります。
別名としては、水辺に生えることや葉を御簾(みす)や簾(すだれ)の材料にしたことから「ミズクサ」「ミスクサ」「ミスグサ(御簾草)」と呼ばれたり、その穂の形から「キツネノロウソク」「カマ」とも呼ばれています。
学名は、 Typha latifolia
属名の Typha はギリシャ語の typhe(沼、あるいは煙)に由来し、種小名の latifolia はラテン語の latus(広い)と folium(葉)を組み合わせた「広葉の」という意味を持ちます。(近縁種のコガマ等と比べて葉が広いことを表しています。)
英名は、 Bulrush
Bulrush の語源には諸説ありますが、bull(大きい)+rush(イグサなどの水草)を組み合わせた言葉とされています。
また、アメリカ英語では花の形から Cattail(猫のしっぽ)とも呼ばれます。
花
花期は6~8月で、円柱状の肉穂花序(ニクスイカジョ)を持ち、茎の先端に上部と下部が連なって咲くのが大きな特徴です。
上部には長さ7~12cmほどの雄花の集合体(雄花群)がつき、開花時には一面に黄色い花粉を出します。そのすぐ下部には、長さ10~12cm、直径約6mmの緑色をした雌花群が隙間なく接してつき、風によって花粉を運ぶ風媒花です。
雄花も雌花も花びら(花被)はなく、単純な構造をしています。 花びらは退化しており、細かい毛のようになっています。一般的に雄花には3本の雄しべ、雌花には1本の雌しべが存在しますが、密集しているため肉眼で一つ一つを区別するのは困難です。
実
花が終わると、上部の雄花は散って軸だけが残り、下部の雌花穂が結実して直径1.5~2cmほどに太り、ソーセージのような形をした茶褐色のいわゆる「ガマの穂」になります。
雌花が結実してできる果実自体は長さ約1mmと微小ですが、果柄の根元には長さ約6.5mmの白い絹毛(冠毛)が多数ついています。
晩秋に実が熟して乾燥すると、ガマの穂がほぐれて大量の白い綿クズのような毛が現れます。これが「穂綿(ほわた)」であり、種子は風に乗って水面に飛散し、水底に沈んで発芽します。
葉、茎
葉は緑白色で厚みがあり、幅1~2cmほどの細長い線形です。茎の下部を鞘(さや)状に抱き込むようにして付きます。葉の断面は三日月形で、内部はスポンジ状になっており、仕切られた通気道が通っています。
葉の縁はなめらかな「全縁」であり、ギザギザとした鋸歯はありません。
草丈(全高)はおよそ1.5~2.5m。浅い水底の泥中から直立して伸び、枝分かれをせずにまっすぐ高く育ちます。
栽培上の注意点
ガマは水辺の植物(抽水植物)であるため、栽培においては極端な乾燥を嫌います。
常に株元が水に浸かっている状態(浅水)を保つか、少なくとも用土が常に湿っている状態を維持する必要があります。
また、日当たりの良い場所を好みます。 最も注意すべき点は、その旺盛な繁殖力です。太い地下茎を横に伸ばして次々と増えるため、庭の土や池の縁に直接地植えすると、他の植物を駆逐してはびこってしまう恐れがあります。
そのため、容器や鉢に植え付けた上で水に沈める「根域制限」を行い、成長スペースを物理的に区切って管理するのが一般的かつ安全な栽培方法です。
花言葉、誕生花
花言葉は、「従順」「素直」「慌て者」「無差別(無分別)」「救護」「慈愛」「予言」など。
「慈愛」や「救護」という花言葉は、『古事記』に記された「因幡の白兎」の神話に由来します。大国主命(おおくにぬしのみこと)が、ワニザメに皮を剥がされて泣いていた白ウサギに対し、「真水で体を洗い、蒲黄(ガマの花粉)を敷き散らした上で転がりなさい」と治療法を教え、ウサギを救護したという優しさを表しています。
また、「素直」という花言葉は、茎が枝分かれせずにまっすぐと天に向かって長く伸びるその姿にちなんでいるとされています
「1月23日」「6月30日」「7月19日」の誕生花
参照サイト
三河の植物観察 コガマ
野田市 草花図鑑 ヒメガマ(姫蒲)
pino blog ガマの穂、ヒメガマの穂の違い・見分け方
静岡科学館 る・く・る ガマの穂ふわふわ大爆発!?
弥生おばさんのガーデニングノート「花と緑の365日」 ガマ