ハクウンボク(白雲木)は中国原産のエゴノキ科の落葉高木で、日本では庭木としても親しまれます。初夏に白い鐘形の花が房状に多数垂れ下がり、白雲のように見えます。実は卵形で秋に熟し、枝先にぶら下がります。葉は大きな広卵形で柔らかく、枝先に集まってつきます。
初夏に白い花が一面に咲くハクウンボク(白雲木)
ハクウンボクの花
ハクウンボクの花
ハクウンボクは、中国、朝鮮半島や日本全土の山地に自生する、エゴノキ科の落葉小高木~高木です。
5~6月ごろに、写真のような白い花を咲かせますが、多い時には樹全体に花が咲き、まるで雲のようだとしてこの名がつけられました。
花は、枝先に総状花序になって20個ほど咲きます。花冠は、長さ約2cm 直径20mmほどの合弁花で、先端が5裂し、下向きに咲きます。
雄しべ10個ほどつきますが、先端の葯が黄色く、白い花冠によく映えて綺麗です。
花や実は、近縁種のエゴノキににているので、エゴノキの別名「チシャ」よりも葉が大きいことから、オオバヂシャとも呼ばれます。
エゴノキは、身近に生えているので毎年親しんでいるのですが、ハクウンボクは今回初めて確認しました。
エゴノキに較べて樹が大きめで、葉も大きいように見えます。
ハクウンボクの花
撮影したのは、5月中ごろだったのですが、花はあまり多くない状態でした。
ハクウンボクは、数年に一度だけたくさん咲かせるとのことなどで、今年は少なめの年なのかもしれません。
たくさん咲く花
こちらの写真は、素材サイトから借用したものですが、たくさん咲くときはこのように見事になるようです。
この樹は、葉が先に出始めてから花が咲くようですが、花のほうが目立つほどなのかもしれません。
花言葉は、「壮大」「愛の旅」「朗らかな人」
「壮大」は、新緑の中で枝先に一斉に咲き揃うダイナミックで美しい樹の姿から付けられました。
「愛の旅」は、大きく重なり合う丸い葉に抱かれるように見え隠れしながら咲く白い花を、青空を漂う雲に見立てたことに由来します。
また、「朗らかな人」は、白と黄」のきれいな花が、花序になってたくさん咲く様子からつけられたのでしょうか。
5月11日、5月26日、6月5日の誕生花です。
実
つき始めた実
こちらは、花が終わってしばらくたった、7月初めの写真です。
細長く、緑いろの実が、あちこちにまとまってついています。
つぎの写真は、成熟してきた実ですが、時間がたつと、大きく丸くなり、色は白っぽくなっています。
たくさん着いた実
実の直径は1.5cmほどですが、秋に熟すと、果皮が縦に裂け、褐色の種が1個飛び出します。
種子には脂肪油が豊富に含まれており、和ロウソクの材料として利用されてきましたが、ヤマガラなどの野鳥が冬に備えて好んで貯食するとされます。
葉、枝、幹
ハクウンボクの葉
葉は枝に互生し、円形状楕円形、倒卵形から広倒卵形です。長さ10~25cm 幅6~20cmの大きな葉で、成人男性の掌よりも大きくなることがあります。
基部は広いくさび形や円形で、先端は短く尾状に尖ります。葉の縁には、先端が突起状に尖った微細な歯牙状の鋸歯があります。
樹
樹を見上げると、枝が長くのび、たくさんの葉で覆われていますが、秋に綺麗に黄葉するのもこの樹の特徴です。
その葉の雰囲気が仏教の聖樹「沙羅双樹」に似ているため、寺院にもよく植栽されるようです。
また、アイヌの人々は乾燥して丸まった葉をタバコの代用にしていたといわれます。
樹皮
樹皮は灰白色から暗灰褐色です。若いうちは滑らかですが、古くなると縦に浅く裂け目が入ります。
若枝は緑色で星状毛がありますが、2年枝になると表皮が縦に割れて短冊状に剥がれ落ち、暗紫褐色になります。
樹高は、6~15mほどになります。
エゴノキの花によくにた白い花を樹全体に咲かせ、たくさんの実をつけるハクウンボク、四季折々に楽しませてくれます。
ハクウンボクの基本情報
原産地、属性、特徴
中国、朝鮮半島、日本が原産で、日本では北海道から九州にかけての山地や落葉樹林に自生しています。エゴノキ科エゴノキ属に分類される落葉小高木から高木です。
初夏に甘い香りのある真っ白な花を房状にたくさん咲かせるのが特徴です。興味深い生態として、数年に一度だけ大量に開花する性質があり、個体間でタイミングを同調させることでマルハナバチなどの花粉媒介者を効果的に引きつけて受粉を促進しているといわれます。
秋に、美しく黄葉するのも魅力です。
名前について
名前のハクウンボク(白雲木)は、枝先に連なって咲く満開の白い花を、空にたなびく白雲に見立てたことに由来します。
別名は、「オオバヂシャ(大葉萵苣)」「オオバジシャ」「ハビロ」「オオカメ」などがあります。
「オオバヂシャ」とは、近縁であるエゴノキの別名「チシャ」よりも葉が大きいことを意味しています。
学名は、Styrax obassia
属名のStyraxは、安息香(storax)を産出するインドネシア産植物に対する古代ギリシャ名に由来します。
種小名のobassiaは、和名の別名である「オオバヂシャ」を意味します。
英名は、fragrant snowbell、fragrant styrax
fragrantは「香りのよい」を意味します。また、snowbellはエゴノキ属の花の形(雪の鈴)を、styraxはエゴノキ属を指しており、甘い香りを放つ白い鈴のような花を咲かせる特徴が語源となっています。
花
5~6月頃に開花します。 花の大きさは、花冠が長さ約2cm 直径20mmほどで、純白色です。
合弁花で、花冠が5つに深く裂けており、5枚の花びらがあるように見えます。
本年枝の先に長さ10~20cmほどの総状花序を出し、そこに20個ほどの花を房状に下向きに連ねて咲かせます。
雌しべは1個で、雄しべよりも長く突き出しており、雄しべは10個あり、花糸は無毛です。
近縁のエゴノキに似ていますが、ハクウンボクは花柄が短く、甘く良い香りがします。
実
果期は9~11月頃で、実は直径1.4~1.7cmほどの楕円状球形や卵円形で、エゴノキの実よりも一回り大きいのが特徴です。
未熟な実は表面に星状毛が密生していますが、秋に熟すと果皮が縦に裂け、中から褐色の種子(1個)を出します。
種子には脂肪油が約18%と豊富に含まれており、和ロウソクの材料として利用されてきました。ヤマガラなどの野鳥が冬に備えて好んで貯食したりします。
葉、枝、幹
葉は枝に互生し、円形状楕円形、倒卵形から広倒卵形です。長さ10~25cm 幅6~20cmの大型の葉で、成人男性の掌よりも大きくなることがあります。基部は広いくさび形や円形で、先端は短く尾状に尖ります。
葉の縁には、先端が突起状に尖った微細な歯牙状の鋸歯があります。
来年の芽(冬芽)が葉柄の基部の中に完全に包み込まれて隠れる「葉柄内芽」という特殊な構造を持ちます。
また、その葉の雰囲気が仏教の聖樹「沙羅双樹」に似ているため、寺院によく植栽されます。アイヌの人々は乾燥して丸まった葉をタバコの代用にしていました。
樹皮は灰白色から暗灰褐色で、若いうちは滑らかですが、古くなると縦に浅く裂け目が入ります。
若枝は緑色で星状毛がありますが、2年枝になると表皮が縦に割れて短冊状に剥がれ落ち、暗紫褐色になります。
樹高は、6~15mほどになります。
用途
花が美しいため庭木や公園樹、茶花として親しまれています。
材は白く緻密で亀裂が生じにくく加工しやすいため、将棋の駒やこけし、傘のろくろ、マッチの軸など、多岐にわたって利用されてきました。
栽培上の注意点
ハクウンボクは寒さに強く、半日陰の環境でも耐え、土質もあまり選ばないため育てやすい樹木です。
しかし、剪定されるのを非常に苦手としており、無理に枝を切ると樹形が乱れやすくなります。
放置していても自然に樹形が整いやすいため、過度な剪定は避けるのがポイントです。
また、葉が大きいため風の影響を強く受けやすく、台風などの強風によって木が倒れる可能性がある点に注意が必要です。
花言葉、誕生花
花言葉は、「壮大」「愛の旅」「朗らかな人」
「壮大」は、新緑の中で枝先に一斉に咲き揃うダイナミックで美しい樹の姿から付けられました。
また、「愛の旅」は、大きく重なり合う丸い葉に抱かれるように見え隠れしながら咲く白い花を、青空を漂う雲に見立てたことに由来します。
5月11日、5月26日、6月5日の誕生花
参照サイト・書籍
Wikipedia ハクウンボク
松江の花図鑑 ハクウンボク
樹木図鑑 樹木ペディア ハクウンボク
森と水の郷あきた ハクウンボク
GKZ植物事典 ハクウンボク
弥生おばさんのガーデニングノート 「花と緑の365日」 ハクウンボク
城川四郎他 解説 山と渓谷社 「山渓ハンディ図鑑5 樹に咲く花」
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