シマカンギクは、野菊の一種で、中国、朝鮮半島や、日本の近畿地方以西に自生するキク科の多年草です。シマとつきますが、日当たりのいい山野に生え、秋から冬に黄色い小さな花を咲かせます。この花を油につけたものを傷薬にしたため、アブラギクとも呼ばれます。
寒風のなかで黄色く咲くシマカンギク(島寒菊)
シマカンギクの花
写真は、自宅近くの不耕作地に毎年咲くシマカンギク(島寒菊)と思われる花です。
毎年咲くのですが、野菊の仲間だろうと思い、
あまり気にとめていませんでしたが、
今回調べたところよくにた花に数種類、
ツルカンギク、ヒノミサキギク、イヨアブラギクなどがありました。
同じような黄色い花が咲き、判別が難しかったのですが、
葉の特徴や生息場所からシマカンギクではないかと思われます。
花の直径は2cmほどの頭状花で、小さく可愛い花です。
栽培品種の寒菊の花は大きく、茎もしっかりして直立していますが、
島寒菊は、茎が細く、頼りなげに地面に垂れ下がって咲いています。
野生なので、誰も手入れをしていませんが、毎年同じように咲いています。
シマカンギクは、このように雑草のような花ですが、
栽培品種の原種の一つと考えられるとのことで、
キクの開発の役に立ってきたもののようです。
花はこのように、茎の先端に咲いていて、
中心部の筒状花、周辺に咲く舌状花からなり、
全体が黄色一色の普通の花です。
寒い冬に花が上向きに咲いるのが、健気だと思います。
花言葉は、「あなたを信じます」「効果を信じる」 「高潔」「誠実」
「あなたを信じます」は、寒いなかで咲き続けることから強い信念を連想させるとして、
「効果を信じる」は、薬効があることから、
「高潔」「誠実」は、清らかな姿や寒さに強いことに由来すると言われます。
シマカンギクの葉、茎
茎の直径は2~3mmほどでしょうか、
細いために直立が難しいようで、
地面に沿うように垂れ下がっています。
葉は対生し、長さ3~5cm 幅2.5~4cmの卵形で、
羽状に深く切れ込んで5枚に分かれています。
小さなめの葉ですが、栽培品種のキクのように
羽状に切れ込みが入っています。
こちらは、素材サイトから借用したシマカンギクの写真です。
元気に咲くとこのようにたくさんの茎が束のようになって育つようです。
今年の初雪が降ったなかで、健気に咲く野菊。派手さは無いけど、花壇で育ててみるのも楽しいかもしれません。
シマカンギクの基本情報・花言葉
シマカンギク(島寒菊)は、中国、台湾や、日本の近畿地方以西に分布するキク科キク属の多年草です。
名前は、寒期に開花し、中国の島に分布していたものが東大小石川植物園に植えられていたことに由来します。
シマとつきますが、島だけで育つわけではなく、日当たりのいい山野で自生します。
別名は、アブラギク、ハマカンギク。
アブラギクは、江戸時代に長崎でこの花を油につけたもをアブラギクと呼んで傷薬にしていました。
学名は、Chrysanthemum indicum
Chrysanthemum は、Chrysos(黄金色)とanthemon(花)の合成語で、
indicumは「インドの」の意味。インド原産ではないが誤ってつけられたとされます。
花期は10~12月で、茎の先に直径25mmほどの黄色い頭状花を咲かせます。
葉は対生し、長さ3~5cm 幅2.5~4cmの卵形で、羽状に深く切れ込んで5裂し、
裏に絨毛が見られます。
根茎は横に伸びて、細い茎を出しますが、
茎の下部は倒れ、上部は立ち上がり、
草丈は30~80cmになります。
花言葉は、「あなたを信じます」「効果を信じる」 「高潔」「誠実」
参照サイト・書籍
日本薬学会 シマカンギク
世界の山と高山植物のアルバム シマカンギクと似た花
庭木図鑑 樹木ペディア シマカンギク
華のいわや シマカンギク
Picture this シマカンギク
林弥栄監修 山と渓谷社 「山渓ハンディ図鑑1 野に咲く花」
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