ベビーキウイとも呼ばれるサルナシは、大きさが2~3cmほどのキウイのような実をつける落葉のつる性植物です。東アジアや日本全土の産地に自生し、実は猿や熊などの食料になりますが、ツルは丈夫で昔は吊り橋の材料などにされてきました。
サルナシ(猿梨)の白い花
サルナシの花
林道のそばに生えたシキミの樹にサルナシ(猿梨)の蔓が巻き付き、
直径1.5cmほどの大きさの白い花がたくさん咲いていました。
サルナシの名前の由来は、猿が好んで食べる梨のような実だからとする説や、
猿が食べてなくなってしまうからなど、いろんな説があるようです。
花びらが6枚で、中心部に雌しべが放射状にのび、
その周りに雄しべがたくさんついています。
雄しべの先端の胞子嚢が黒く、よく目立ちます。
この樹は雌株のようで、
写真の花は両性花のようです。
サルナシの花の花弁の数は図鑑によると5枚とされていますが、
この花には、6枚ついています。
サイトによっては5~6枚と書かれているものもあり、サルナシに間違いないかと思います。
花言葉は、「誘惑」。
サルナシは猿の好物といわれ、サルを誘惑する植物としてつけられた花言葉のようです。
こちらは、花がさいた状態と、散りかけたサルナシのようです。
花にも見られる緑の部分が子房で、
この部分が大きくなって実になります。
つぎの写真は、以前撮ったサルナシの実です。
実の大きさは、2~3cmほどの小さなものですが、
9~10月ごろに熟し、キウイのような味で美味しく食べることができます。
実に先端の雌しべの名残も目立ちます。
サルナシの蔓
サルナシは、4~5月ごろになると、
写真のように少し赤みを帯びて元気にツルを伸ばします。
蔓の長さは3mほどになると言われますが、
丈夫なため、リースなどにされますが、吊り橋の材料としてもつかわれてきたようです。
こちらは、シキミの大きな樹を覆うように伸びたサルナシです。
シキミは有毒植物なので、鹿もあまり近ずかないのでしょうか、
種から芽を出し、食べられることもなく無事に伸び、大きく育ったようです。
毎年みてきたサルナシですが、今年はたくさんの花を咲かせました。猿が食べる前に少し失敬して味見したいと思っています。(^_^)
サルナシの基本情報・花言葉
サルナシは、中国大陸、朝鮮半島や日本列島に分布する、マタタビ科マタタビ属の雌雄異株もしくは雌雄雑居性で、蔓(ツル)性の落葉性植物です。
サルナシの名前の由来は、猿が好んで食べる梨のような実だからとする説や、
猿が食べてなくなってしまうからなど、いろんな説があるようです。
別名は、ベビーキウイ、コクワ、シラクチカズラ、シラクチヅル。
学名は、Actinidia arguta
「Actinidia」はギリシャ語の「aktis(放射状の)」に由来し、「arguta」は「鋭い歯の」を意味しますが、
柱頭が放射状に並んでいることからつけられたといわれます。
英名は、Hardy kiwi、Hardy kiwifruitなど
「hardy」は、耐寒性が強いことから、このように名づけられました。
花期は5~7月で、花びらが5~6枚の小さな白い花を、茎の付け根に下向きに、咲かせます。
雌株には、雌花および両性花が咲きますが、
雌しべは放射状に伸び、そのまわりにたくさんの雄しべがつきます。
果実は、キウイフルーツのような形で、緑色の2 ~3cm程度の大きさで、9月~11月ごろに熟します。
味はキウィフルーツに似ており、猿や熊などが好んで食べます。
葉は、長さ7~13cmで、葉柄は赤茶色で2 ~ 8cm、縁に細かな針状の鋸歯をつけます。
秋に黄葉して、落葉します。
蔓(ツル)は、赤茶色で、太くなると黒っぽい茶褐色になり樹皮がはがれます。
太さは5cm、長さは50mになることもあると言われます。
蔓(ツル)は、丈夫で腐りにくいため、昔から吊り橋の材料などにも使用されてきました。
小物では、マタタビやアケビと蔓(ツル)と同じように、リースや編み物の材料としても利用されています。
花言葉は、「誘惑」で、9月30日の誕生花です。
参照サイト・書籍
Wikipedia サルナシ
樹木の四季500 サルナシ
BONTANICA サルナシ
太田和夫他解説 山と渓谷社 「山渓ハンディ図鑑4 樹に咲く花」
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