夏の暑い時期に、水辺で涼し気に花を咲かせるハンゲショウは、東南アジアや日本の本州以南に自生する、ドクダミ科の落葉性多年草です。花の時期に葉を白くして昆虫を引き寄せると言われますが、人にも魅力的な花です。
花のころに葉が白くなる水辺の野草、ハンゲショウ(半夏生、半化粧)
ハンゲショウの花と白い葉
7月の中ごろ撮ったハンゲショウ(半夏生、半化粧)の花です。
名前の半夏生は、七十二候のなかの半夏生(7月2日)のころに咲くためこう呼ばれたとか、
葉が半分白くなるので、名前を半化粧したといわれます。
もともとは半夏はカラスビシャク(烏柄杓)のことだったようですが、
後に、この植物に使われるようになったとのこです。
葉の表面が白く、裏面は緑なので、カタシロクサ(片白草)ともよばれます。
東南アジアや、日本の本州以南の水辺などに自生し、6~8月ごろに茎の先端や、葉に対生して、10~15cmほどの長い花序を出して、小さな花をたくさんつけます。
こちらが、花を拡大したものですが、
短い花柄を出して、花軸にたくさんの小さな花がついています。
夏の暑い時期に、水辺で涼し気に花を咲かせるハンゲショウは、東南アジアや日本の本州以南に自生する、ドクダミ科の落葉性多年草です。花の時期に葉を白くして昆虫を引き寄せると言われますが、人にも魅力的な花です。
花のころに葉が白くなる水辺の野草、ハンゲショウ(半夏生、半化粧)
ハンゲショウの花と白い葉
7月の中ごろ撮ったハンゲショウ(半夏生、半化粧)の花です。
名前の半夏生は、七十二候のなかの半夏生(7月2日)のころに咲くためこう呼ばれたとか、
葉が半分白くなるので、名前を半化粧したといわれます。
もともとは半夏はカラスビシャク(烏柄杓)のことだったようですが、
後に、この植物に使われるようになったとのこです。
葉の表面が白く、裏面は緑なので、カタシロクサ(片白草)ともよばれます。
東南アジアや、日本の本州以南の水辺などに自生し、6~8月ごろに茎の先端や、葉に対生して、10~15cmほどの長い花序を出して、小さな花をたくさんつけます。
こちらが、花を拡大したものですが、
短い花柄を出して、花軸にたくさんの小さな花がついています。
花には花被がなく、雄しべ6~7、雌しべ3~4個つき、2~3mmほどの花柄を介して、花序軸につきます。
ハンゲショウが目を引くのはこの花ではなく、
このころ、花の近くの葉(苞葉)が白くなるところです。
昆虫を引きつけるために葉の半分ほどを白くしているのではないかといわれるようですが、
ツボミをつけるころに、葉の表面の葉緑素が抜けて白くなり、
その後、時間がたつと、しだいにもとに戻ります。
また、全ての葉が白くなるのではなく、
花を守る役目をする数枚の苞葉が、しろくなるということのようです。
ハンゲショウとドクダミの違い
ハンゲショウは、ドクダミ科で、ドクダミに似た花を咲かせます。
写真のように、どちらも、中心部にたくさんの小さな花をつけた穂状の花をさかせ、花の近くについた苞葉が、白くなっています。
ドクダミの苞葉は全面真っ白で、花びらのように見え、
ハンデショウは葉の付け根から先端部にかけて白くなる点が違っていますが、
構造上はよく似ているようです。
意外な花どうしが、共通する点を持っていて、興味深いと思います。
葉が白くなる植物には、マタタビがありますが、
こちらは苞葉ではなく、通常の葉になります。
そして、葉緑素がなくなって白くなるのではなく、
空気が入って白くなっているとのことです。
花言葉は、「内に秘めた情熱」で、7月1日の誕生花です。
ハンゲショウの茎と葉
ハンゲショウは水辺どよく育ち、
地下茎をよく伸ばし、そこから茎をだし、30~100cmほどになります。
葉は丸みを帯びた披針形であり、1~5cmほどの葉柄があって、茎に互生しています。
きれいな緑の葉で、表面に見られる5~7本の葉脈が目立ちます。
こちらは、群生するハンゲショウです。
地下茎が長く伸びるので、このようにたくさんの茎がのび、
見事な群生がつくられるようです。
奈良県では、御杖村の「岡の谷の半夏生」が知られていますが、
全国的に自生地が減少してきており、絶滅危惧種に指定される地方も多いようです。
独特の雰囲気で人を引き付けるハンゲショウ、絶えることなく、元気で育ってもらいたいものです。
ハンゲショウの基本情報・花言葉
ハンゲショウ(半夏生、半化粧)は、ベトナム、フィリピン、中国、台湾、韓国や、日本の本州以南の水辺や湿地に自生するドクダミ科ハンゲショウ属の多年草落葉植物です。
名前は、古代中国で考え出され季節を表す方式である七十二候の一候である半夏生(7月2日頃)のころに葉が白くなることに由来するといわれ、
花の近くの葉が半分ほど白くなることから、半化粧とも書かれます。
なお、平安時代にハンゲ(半夏)と呼ばれた野草は、カラスビシャク(烏柄杓)のことで、
七十二候の半夏生は、「カラスビシャクが生えるころ」として名づけられたと言われます。
葉の表面だけが白くなることから、カタシログサ(片白草)の別名があります。
また、解毒、解熱用の生薬として利用され、サンパクソウ(三白草)とも呼ばれます。そのほか、オシロイカケ、ミツジロ、などとも呼ばれるようです。
学名は、Saururus chinensis
英名は、Chinese lizard's tail
花期は6~8月で、茎の先端や葉に対生して、小さな花が10~15cmほどの長さに総状になってたくさんつきます。
総状花序は、最初は先端が垂れ下がっていますが、花がさくころに立ち上がります。
また、花は両性で花被がなく雄しべ6~7、雌しべ3~4個つき、2~3mmほどの花柄を介して、花序軸につきます。
実は,、1.5~3mmほどの、褐色な分離果になります。
太くて長い地下茎が横に伸び、そこから0.3~1mの茎を伸ばします。
このため、よく増え、群生している光景が見られます。
葉は葉柄が1~5cmで互生し、長さ5~15xm 幅2~10cmほどの大きさで、卵状の披針形、先は尖ります。
葉脈は掌状で5~7脈ほどがつき、目立ちます。
また、ツボミがつくころに、花の近くの苞葉が数枚、基部から先端にかけて白く変色します。
この現象は、昆虫に花があることを知らせ受粉を助ける効果があると言われますが、
この時期だけ、苞葉の表面の棚状組織(サクジョウソシキ)から葉緑素が抜けるためだとされます。
なお、同じ科のドクダミもハンゲショウとよくにた構造の花になり、
中心部に総状花序をつけ、花が咲くころ周囲の4枚の苞葉が白くなりますが、白が緑になることはないようです。
マタタビも葉が白くなりますが、こちらは苞葉ではなく、普通の葉が白くなります。
また、葉緑素がなくなって白くなったのではなく、葉の表面に空気が入って白くなるようです。
ハンゲショウは年々減少しているといわれ、地域によっては絶滅危惧種に指定されています。
花言葉は「内に秘めた情熱」で、7月1日の誕生花です。
参照サイト
Wikipedia ハンゲショウ
季節の花 300 半化粧 (はんげしょう)
日本植物生理学会 みんなの広場 ハンゲショウやマタタビの葉の白化 マタタビの葉が白くなるのは
Flower Library ハンゲショウ
関連投稿
-
-
薬草として利用されるドクダミに咲く白い花
ドクダミは、ジュウヤク(十薬)とも呼ばれ、日本の三大民間薬の薬草として利用されてきました。初夏に花びらのような4枚の萼片をつけ、中心部に円筒状の花穂をつけた白い花を咲かせます。全草にアルデヒドを含み、 ...
-
-
猫が喜ぶという「マタタビラクトン」を含んだマタタビ(木天蓼)
山に生えるているマタタビ(木天蓼)が実をつけています。猫が好きと言われるマタタビですが、6月に咲いた花が、8月になると、虫がついてごつごつ変形した実や、きれいな実がついています。マタタビの花言葉は、「 ...
-
-
仏炎苞につつまれて咲くカラスビシャク(烏柄杓)の花
カラスビシャクが花壇で咲いています。仏炎苞と呼ばれる独特の形の苞の中で、花序になって花が咲き、ミズバショウ、ザゼンソウ、マムシグサなどと同じサトイモ科の多年草です。苞の形がちいさな柄杓のようだとして、 ...