ヒメオドリコソウ(ヨーロッパ原産)とホトケノザ(在来種)はどちらもシソ科ヒメオドリコソウ属の越年草で、2月ごろから、よくにたピンクの花を咲かせますが、花の付き方や、葉の形などが違います。ここでは、両者の違いを写真で比較しました。
ヒメオドリコソウ(姫踊り子草)とホトケノザ(仏の座)の違い
ヒメオドリコソウとホトケノザは、同じころによくにた花を咲かせるので、混同することがあるようです。ここでは、よくにた花を咲かせる、この2種類について、花の様子や、花の付き方、葉の違いなどについて書きました。
よくにた唇形花
花は、ご覧のようによくにています。
ヒメオドリコソウは、ヨーロッパが原産で、大正時代に日本に来たといわれ、日本全土でみられます。
名前は、花がさいている様子が、花笠をかぶって踊る踊子に似ているとされるオドリコソウにくらべて小さいことに由来するといわれます。
また、ザゼンソウは史前植物といわれ、本州以南に分布しているといわれ、葉の形が仏さまが座る蓮華座ににているとして名づけられました。
どちらも、シソ科特有の唇形花(シンケイカ)とよばれる花の形で、筒状の花びらが上下に分かれ、上唇は兜の形、下唇は2裂して赤い斑点がついているのが特徴です。
ご覧のように、花だけを見るとよくにていていますが、花のつき方や葉は、つぎのように違っています。
花の付き方と葉の違い
ヒメオドリコソウもホトケノザも、茎の先端近くで花が咲いていますが、ヒメオドリコソウは葉の下につき、よこ方向に伸びています。
一方、ホトケノザは、葉から上方向に飛び出すように伸びており、明らかに違っています。
また、花のいろも、ヒメオドリコソウが薄いピンクなのに対して、ホトケノザは濃い目のようです。
つぎに、葉についてみてみます。
ヒメオドリコソウの葉は卵円形で、茎に対生して連なってついており、上部の葉は茶色味を帯びています。
ホトケノザの葉も対生していますが、間隔を置いて、茎を抱くようについており、大きく違っています。
このように、花そのものはよくにていますが、
花の付き方や、葉の形、葉の茎への付き方は違っています。
群生する様子
ヒメオドリコソウとホトケノザは、よくにた場所で群生しているのを見かけます。
ヒメオドリコソウの群生では、花より葉が目立ちがちですが、ホトケノザは長く伸びた茎も目につくようです。
以上のように、それぞれに特徴があるので、よく観察すれば間違うことはないのかと思いますが、いかがでしょうか。(^⊆^)
なお、ヒメオドリコソウとホトケノザについては、記事に書いていますので、それぞれの詳細については、以下をご覧ください。
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冬に咲くヒメオドリコソウ(姫踊り子草)のピンクの花
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ピンクの唇形花が可愛いホトケノザ(仏の座)
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ヒメオドリコソウの基本情報・花言葉
ヒメオドリコソウは、ヨーロッパ原産のシソ科ヒメオドリコソウ属の越年草で、明治中期に日本に渡来した外来種です。
日本では、本州を中心に分布していると言われ、道端や空き地などで良くみられます。
ヒメオドリコソウの名前は、よくにた同じシソ科のオドリコソウにくらべて小さいことに由来します。
学名は、Lamium purpureum
英名は、Red Deadnettle、Purple Deadnettle
花期は関東では3~5月、赤紫色の唇形花(筒状の花びらの先が上下に分かれた花)で、上唇は兜の形、下唇は2裂して赤い斑点がつきます。
花は、上部の葉腋から外側に向かって開き、上から見ると放射状に並びます。
葉は対生し、長さ1~2cmの葉柄があり、葉の長さは2~4cmほどの卵円形で、縁に鋸歯がつきます。
茎には短い毛がつき、根元で枝分かれし、草丈は10c~25cmになります。
花言葉は、「快活」「陽気」「愛嬌」で、2月6日の誕生花です。
茎の先についた葉の間から飛びだして咲く、ヒエメオドリコソウの明るい花のイメージににピッタリな花言葉だと思います。
ホトケノザの基本情報・花言葉
ホトケノザ(仏の座)は、シソ科オドリコソウ属の2年草で、アジア、ヨーロッパ、アフリカに分布し、日本では本州から沖縄に自生します。
名前は、茎につく葉が、仏さまが座る蓮華座ににているとしてつけられました。 別名は、サンカイグサ(三階草)、ホトケノツヅレ(仏の綴れ)。
サンカイグサは、葉が茎に何段も重なってつくことに由来します。
学名は、Lamium amplexicaule
英名は、Henbit,、Henbit deadnettle
花期は2~5月で、上部の葉腋に長さ2cmほどのピンク(赤紫)の唇形花をつけます。 上唇はかぶと状で短毛が生え、下唇は2裂し濃い紅色の斑点がつきます。
花には、他家受粉する開放花と、つぼみのままで自家受粉で結実する閉鎖花があります。
開放花は、他の花の花粉が雌しべについて受粉する他家受粉になりますが、閉鎖花は、花が開かないツボミのままで自家受粉して結実します。
閉鎖花は、ツボミの中で受粉するため、確実に受粉し、同じ遺伝子を引き継ぎます。一方、開放花は、受粉の確立は低くなりますが、遺伝子の多様性が保たれます。ホトケノザは、このように2種類の受粉方法をとることによって、確実に生き残るとともに、多様な子孫を残す戦略をとっています。
また、白い花をつける、シロバナホトケノザという種類もあります。
葉は対生し、茎に間隔を置いて何段もつき、縁に鈍い鋸歯があります。
下部の葉は、葉枝を持った円形になり、上部では葉枝がなく茎を抱くようにつきます。
草丈は10~30cmで、茎の断面は四角形になります。
なお、春の七草のホトケノザはキク科のコオニタビラコ(小鬼田平子)であり、別の野草になります。
花言葉は、「調和」「輝く心」で、2月8日の誕生花です。
仏さまが蓮華座に座る姿を連想してつくられた花言葉といわれます。
参照サイト
Wikipedia ヒメオドリコソウ
おしえて! 田舎センセイ! 小さなピンクの花をつける「ヒメオドリコソウ」
花言葉 花の持つ言葉 ヒメオドリコソウ