メリケンカルカヤ(米利堅刈萱)は、関東以西に分布し、空き地などで株になってたくさんの茎を伸ばして育ち、秋には茶色くなった茎に、白い綿毛をつけます。北アメリカ原産のイネ科メリケンカルカヤ属の多年草で、繁殖力が強いため、要注意外来生物に指定されています。
日当りのいい空き地に生えるイネ科の多年草、メリケンカルカヤ
叢生するメリケンカルカヤと綿毛
メリケンカルカヤ(米利堅刈萱)と聞いてもわからないかもしれませんが、
写真を見るとみたことがあるという方は、おられるのではないでしょうか。
私も以前から見てはいたものの、名前がよくわからなかったのですが、メリケンカルカヤ(米利堅刈萱)のようです。
今回は、身近でみたメリケンカルカヤの様子を書いてみました。
空き地などで見かけ、大きな株になってたくさんの茎がのびていますが、葉が見られず、目立った花穂もなく、すこし変わった植物のように思います。
名前は、アメリカ(メリケン)から渡来した、カルカヤ(刈萱、古くから屋根材や飼肥料などに使われてきた植物の総称)を意味します。
北アメリカ原産のイネ科メリケンカルカヤ属の多年草で、1940年に愛知県で確認され、いまは関東以西に分布しますが、
繁殖力が強いので、在来種や農作物と競合して駆逐する恐れがあるとして、要注意外来生物に指定され、警戒されています。
写真は、家の近くの空き地で撮ったものです。
日当たりのいい場所で、周囲には丈の短い芝生の仲間と思われる植物が一面にはえていますが、
所々にこのように株になって生えています。
芝生が生えていないか、まばらな場所に生えてきたようです。
根元を見るとススキの株のように、しっかりと根をはっています。このようにいったん根を張ると、簡単に引く抜くことは難しくなってしまうようです。
根を張ってしまう前に、除草剤で枯らしてしまうのがいいようですが、人が管理していない場所ではできるはずもなく、大きく育っています。
つぎの写真は、道路沿いに群生したメリケンカルカヤです。
手前にセイタカアワダチソウらしいものが生えていますが、
他の植物を押しのけるように密に生えており、繁殖力が強いことがわかります。
つぎの写真は10月中旬に撮影したものですが、
このころになると、茎からたくさんの綿毛が出ているのが見られます。
茎の高さは、1mほどでそれほど高くはなく、このように茎に綿毛をつける姿から、メリケンカルカヤであることがわかるかと思います。
先に述べたように、繁殖力が強いために要注意外来生物に指定されていますが、草木染の材料にされることがあるようです。
きれいな花をつけるわけでもなく、目立たない嫌われもののメリケンカルカヤ、ちょっと気になる植物だと思います。
メリケンカルカヤの基本情報
メリケンカルカヤ(米利堅刈萱)は、北アメリカ原産のイネ科メリケンカルカヤ属の多年草です。
1940年ごろ愛知県で発見され、いまでは関東地方以西に分布しているといわれます。
名前は、アメリカ(メリケン)から渡来したカルカヤ(刈萱、古くから屋根材や飼肥料などに使われてきた植物の総称)であるとしてつけられました。
学名は、Andropogon virginicus
英名は、broomsedge bluestem
花期は9~11月で、茎の上部の葉は退化して葉鞘だけになっていて、葉鞘の中に小穂をつけ、小穂に根元に綿毛がついて風で飛ばされます。
実は暗灰色で、長さ1.8~2mmほどになります。
葉の長さは10~30cm 幅3~5mmで、平滑で無毛です。多くの葉は抱き合うように重なってつきます。
茎は叢生して高さ50~100cmになり、基部はすこし扁平になります。
各地で増えており、在来種や農作物と競合して駆逐する恐れがあるとして、外来生物法で要注意外来生物に指定されています。
メリケンカルカヤは、草木染にも使われているようです。
参照サイト
松江の花図鑑 メリケンカルカヤ
EVERGREEN メリケンカルカヤ
侵入生物データベース メリケンカルカヤ
ののはな草木アカデミー ビワ、メリケンカルカヤで綿、麻、シルクの「糸染め」
病害虫・雑草の情報基地 メリケンカルカヤ