ツユクサは、6月ごろから9月ごろまで、2枚の青い花びらの花を咲かせます。早朝に咲いて昼ごろにしぼむことから、露がにあう草として名づけられたようです。生薬や食用として利用されるとともに、万葉集にも読まれており、昔から親しまれてきた野草の一つです。
ツユクサ(露草)の青い花
ツユクサの花
9月に、ツユクサ(露草)の青い花が盛んに咲いています。
ツユクサ(露草)は、早朝に花がさいて、昼ごろには萎むので、露がよく似合うとして、この名前がつけられたと言われます。
私は、梅雨のころに咲き始めるので、
このことが名前に関係しているのかと漠然と思っていたのですが、違っていました。(⌒ ⌒;)
ツユクサは生薬や食用にされてきたようですが、万葉集の恋の歌にも「ツキクサ(月草)」として詠まれているとのことで、
昔から親しまれてきた野草のようです。
ツユクサは、青い色が普通ですが、たまに白いものも見かけます。
花の形は青いものと同じですが、花びらだけが白くなっています。
普通のツユクサの中で、数株だけ白い花を咲かせていました。
シロバナツユクサと呼ばれ、ツユクサの変種とのことです。
普段は気にすることもない野草ですが、花のつくりをすこし細かく調べてみました。
花の細かなことになりますので、興味のない方は、飛ばしてください。(^_^)
花の大きさは2cmほどで、目立つのは、青くて丸く大きな花びらが2枚ですが、
もう一枚、下の方にも白いのがついていて、花びらは合計3枚になります。
その花びらの中心から6本の雄しべと、1本の雌しべが出ています。
長くでている3本は、1本の雌しべと2本の雄しべで、ここで受粉が行われているとのことです。
花びらの近くの3本は、花粉をもっていない仮雄しべで、昆虫を誘きよせる役割をしており、
少し長い1本は少し花粉をだし、昆虫のスムーズなランディングを促進させているとのことです。
(どこまで確かめられているんでしょうね。)
その後ろについているのは、苞と呼ばれる葉の変形したもので、ツボミを保護していた器官で、そのまま残っています。
思ったより複雑な構造だと思いますがどうでしょうか。
なお、ツユクサの仲間に、紫の花びらが3枚でムラサキツユクサがあります。
北アメリカ東部原産で、ツユクサ科ムラサキツユクサ属の多年草で、きれいな花です。
興味をお持ちでしたら、以前かいた記事をごらんください。
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花びらが3枚で、紫の花が咲くムラサキツユクサ、ツユクサとの違い
ムラサキツユクサ(紫露草)は、紫いろの花びらを3枚つけ、草丈が5~115cmになるツユクサ科の多年草です。北アメリカが原産で栽培されていましたが、野生化が進んでいます。日本の在来種で花びらが青く2枚の ...
話をもとに戻しますが、つぎの写真は、ツユクサのツボミです。
中央の左右に2個ついていますが、
おそらく右側は花が終わったもので、左がツボミだろうと思います。
舟のような形の苞が2つ合わさって、なかのツボミを保護しているようです。
これを押し分けて花が咲きますが、それが前の写真になるわけですね。
雌しべがうまく受粉すると、つぎの写真のように実がつきます。
ここでは、苞の中に2個入っているようです。
実は、長さ4.5~8mmの蒴果で、やがて皮が破けて種を放出するようです。
ツユクサの茎と葉
ツユクサは、直立するのではなく、このように他の草木によりかかるように伸び、先が立ち上がります。
途中で枝分かれし、節がつきますが、地面につくとそこから根をだして増えるようです。
太さは数mmで、草丈は30~50cmほどになります。
葉は互生し、長さ5~12㎝ 幅1~4㎝の狭披針形で先端が尖っています。
そして、写真のように、葉の基部には長さ1㎝ほどの鞘がついて茎を抱くようにつきます。
花が咲くころの葉は、乾燥して生薬にしたり、お浸しや和え物なので食べることもできると言われます。
ちょっと油断すると、このようにたくさん生えてしまします。
花は可憐で可愛いとはいえ、このようにたくさん生えてくるので、残念ながら厄介な植物だと思います。
ツユクサの基本情報・花言葉
ツユクサ(露草)は、東アジア原産で、日本全土で自生するツユクサ科ツユクサ属の一年草です。
名前は、朝咲いて昼ごろにしぼむことが朝露を連想することに由来する説や、
古くから使われていたツキクサ(月草、着草)が訛ってツユクサとなったとする説があります。
別名は、花の形からホタルグサ(蛍草)、ボウシバナ(帽子花)、花の色からアオバナ(青花)などがあります。
学名は、Commelina communis
英名は、Asiatic dayflower
花期は6~9月で、ペアになった舟形の苞に包まれたツボミから朝に1.5~2cmほどの花が咲き、昼ごろしぼみます。
花弁は3枚で、上につく2枚の円形のきれいな青い花びらと、下につく白い1枚になります。
雄しべは6本で、雌しべと一緒に伸びた長い2本、短く青い花びらの近くにつく3本、それより長い1本からなります。
このうち、有効な花粉を出すのは、主に長い2本になり、短い3本は黄色い色をしていますが、花粉をだしません。
実は長さ4.5~8mmの蒴果で、苞包まれて1~3個できます。
葉は互生し、長さ5~12㎝ 幅1~4㎝の狭披針形で先端が尖り、葉の基部には長さ1㎝ほどの鞘がついて茎を抱きます。
茎は地面を這うように伸びて分岐し、節から根を出して増えます、先は上に伸びます。
草丈は、30~50cmになります。
ツユクサは万葉集にも「月草」という名で、恋の歌などで読まれており、昔から親しまれてきたようです。
花の時期に全草を乾燥させたものは鴨跖草(セキオウソウ)と呼ばれる生薬として知られ、下痢止め、解熱などに用いられます。
また、花が咲いている時期の葉は、お浸し、炒め物、和え物などで食べることができるとされます。
花言葉は、「なつかしい関係」で、7月6日、7月28日の誕生花です。
参照サイト・書籍
Wikipedia ツユクサ
三河の植物観察 ツユクサ
LOVEGREEN ツユクサの由来と食べ方
花言葉-由来 ツユクサ
門田裕一監修 山と渓谷社 「山渓ハンディ図鑑1 野に咲く花」