オミナエシ(女郎花)は、7~10月に、枝分かれした茎の先に、花序になってたくさんの小さな黄色い花を咲かせます。昔から親しまれてきた秋の七種(ナナクサ)の一つで、名前はよくにたオトコシエにくらべて弱々しいことに由来すると言われます。
秋の七種、オミナエシ(女郎花)の黄色い花
オミナエシの花
オミナエシ(女郎花)の花が道路わきに咲いていました。
草丈は1.5mほどで、写真のようにいくつもに枝別れした茎の先に、花序になって咲くたくさんの黄色い花が見事です。
オミナエシは、秋の七種(ナナクサ)の一つで、7月ごろから咲き始め、10月ごろまで長く咲き続けます。
秋の七種については、いままでも記事にしていますので、関連投稿に上げておきます。よろしかったらご覧ください。
名前は、「オミナ」は美しい女性を意味し、近縁種のオトコシエにくらべて弱々しいことから、オミナエシと名づけられたと言われます。
なお、「エシ」は「圧し」を意味し、花の姿が美女を圧倒するとするという意味があるとのことです。(^_^)
他に、アワ(粟)ご飯を女飯(オミナメシ)と呼んだ時代があり、オミナエシの黄色い花が粟ご飯を連想するためとする説もあるようです。
古くから人々に親しまれてきた花ですが、残念ながら、最近は自生するものが少なくなっているようです。
枝が高いので、したに押し下げて撮ってみました。
このように、直径4mmほどの小さなかわいい花と、まるいツボミがたくさんついています。
全てが黄色く輝くようで、見事だと思います。
個々の小さな花は、下部が筒状になった合弁花で、先端は5枚に分かれています。
この写真ではよくわからないのですが、中に4個の雄しべと1個の雌しべが付いています。
このように、たくさんの花が長く咲き続けて楽しませてくれ、単にきれいというだけでなく、力強さも感じます。
オミナエシの茎と葉
茎は少し赤みを帯びてまっすぐにのび、前の写真のように、上の方でたくさんに枝別れしています。
葉は、上部にはほとんど見られませんが、したの方に、このように縁に鋸歯のある葉をつけています。
オミナエシは、春に根生葉を出し、そこから長い茎をのばして大きく育つと言われます。
昔から人々の親しまれてきた華やかな花は、夏の暑い時期に楽しませてくれそうです。
オミナエシの基本情報・花言葉
オミナエシ(女郎花)は、中国、朝鮮半島や、沖縄を除く日本全土に分布するオミナエシ科オミナエシ属の多年草です。
秋に七種の一つで、「オミナ」は美しい女性を意味し、近縁種のオトコシエにくらべて弱々しいことから、オミナエシと名づけられたと言われます。
なお、「エシ」は「圧し」を意味し、花の姿が美女を圧倒するとする説があるとのことです。
また、アワ(粟)ご飯を女飯(オミナメシ)と呼んだ時代があり、オミナエシの黄色い花が粟ご飯を連想するためとする説もあります。
別名は、ハイショウ(敗醤)、アワバナ(粟花)、オミナメシ、チメグサなど。
学名は、Patrinia scabiosifolia
英名は、Golden lace,、Yellow patrinia,、Scabious patrinia
花期は7~10月で、枝分かれした枝の先に、散房状に直径4mmほどの黄色い花をたくさん咲かせます。
花は、下部が筒状になった合弁花で、先端は5裂し、中に4個の雄しべと1個の雌しべが付きます。
実は痩果で、長さ3 ~4 mmの楕円形状で、中に種子が1個入っています。
葉は対生し、羽状に深く裂けます。
草丈は0.6~1.5mで、茎の上部はたくさんに分岐します。
オミナエシの花言葉は、「美人」「はかない恋」「親切」で、8月16日、9月5日、10月6日の誕生花です。
参照サイト・書籍
Wikipedia オミナエシ
季節の花 300 女郎花(おみなえし)
花言葉-由来 オミナエシ
高村忠彦監修 日本文芸社 「季節の野草・あきのななくさ
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