早咲きのヤマザクラと呼ばれてきたクマノミズキは、彼岸ごろから、ピンクのきれいな花を咲かせます。2018年に、100年ぶりに新種の桜とに認定された日本固有種で、紀伊半島南部に自生します。山中で、常緑樹の緑の中で咲く花もきれいだと思います。
5年前に新種に認定されたクマノザクラに咲く薄いピンクの花
早咲きのヤマザクラとも呼ばれてきた、クマノザクラは、彼岸ごろから咲き始めます。
Wikipediaによると、クマノザクラは森林総合研究所と和歌山県林業試験場が共同で現地調査を行い研究した結果、新種であることがわかり、森林総合研究所によってこの名前が命名されました。紀伊半島南部の和歌山県、三重県、奈良県南部に分布する日本固有種です。
日本の基本的野生種のサクラは、10種類もしくは11種類とされ、変種を含めると100種類以上の自生種があると言われますが、クマノザクラはこの基本的野生種に含まれると認定されました。
なお、基本的野生種が10もしくは11種類とされるのは、先日記事にしたカンヒザクラ(寒緋桜)を含めるかどうかの違いによるものです。カンヒザクラが外来種とする説と、日本原産とするかで、扱いが違うため、このような表記になっています。
この記事に写真は、ほとんどが昨年のものです(この時期体調を崩し今年はとれませんでした(⌒ ⌒;) )。ことしは少し遅かったようですが、ほぼ同じ時期に咲いとようです。
花の色は、樹によって白っぽかったり、ピンクがかったり違いがあるようですが、咲く時期が他のヤマザクラにくらべて早く、花序につく花数が1~3個で、花序柄が短いなど、クマノザクラの特徴が見られます。
いろが違うのは、育つ環境によるのか、他のサクラと交雑したものかもしれませんが、このあたりの野生のサクラでは早い時期に咲きます。
ちなみに、他に自生する野生種のヤマザクラやカスミザクラは、4月中旬ごろから咲き始めるので、明らかに時期が違います。このため、早咲きのヤマザクラと呼ばれてきました。
ツボミはピンク色ですが、花が咲くと少し薄くなるようです。
この樹では、花序につく花の数は1~2個と少なく、葉も出かかっているように見えます。ソメイヨシノは、咲く時期は近いのですが、3~4個と少し多めにつきます。
植物は同じように見えても、よくみると種類によって、確実に違いがあるものだと、改めて思います。
こちらは、山の緑の樹々の中で咲くクマノザクラで、きれいなピンクに咲いています。
都市部でたくさん植えられた、カワズサクラやソメイヨシノの並木は圧巻ですが、このように山の中で咲くサクラも、趣は違いますが、いいものだと思います。
毎年咲くクマノザクラは、花のあとに種をつけて落とし、自然に増えるようで、あちこちで花を咲かせています。
スギやヒノキの人工林の中より、常緑樹や落葉樹などの雑木林の中で育つことが多いようです。
山には早咲きのクマノザクラの他にも、遅れて咲く普通のヤマザクラの花も咲くので、4月末ごろまでサクラを見ることができます。
以上のように、山の中で咲くクマノザクラを見てきましたが、道路沿いでも見られます。
こちらは、人が植えたものだろうと思います。道路沿いには、遅咲きのサクラの八重桜なども植えられていて、5月初めごろまででしょうか、いろんなサクラを楽しむことができます。
クマノザクラの基本情報
クマノザクラは、2018年に新種とされた紀伊半島南部原産の日本固有種のバラ科サクラ属の落葉広葉樹です。
日本原産の、10種類もしくは11種類(カンヒザクラを含めた場合)のサクラ属の基本野生種の中の一つで、1915年にオオシマザクラが発見されて以来の新種とのことです。
名前は、「地元で早咲きのヤマザクラ」と呼ばれていたヤマザクラが、新種であることを確認した森林総合研究所によって、クマノザクラとつけられました。
学名は、Cerasus kumanoensis
英名は、Kumano cherry
花期は3月中旬~4月上旬で、花びらが5枚の、薄いピンクの花を咲かせます。花序は短く、花序につく花の数は1~3個で、葉柄に毛がありません。
葉は、卵形でヤマザクラにくらべて小さめです。
樹高はヤマザクラにくらべて低くて枝が細く、樹形は箒状になります。
クマノザクラの花言葉は見当たりません。つけられていないようです。
参照サイト
樹木医甚平 クマノザクラ
熊野市観光協会 コラム① クマノザクラの発見
赤塚植物園 100年目の奇跡 くまのざくら
GREEN SNAP 桜の花言葉
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