冬に樹の枝につくトコロ(野老)の実

2022年3月4日

冬に散歩をしていると、樹にまとわりついたつる性植物のトコロの実を見かけます。トコロは、ツル性の多年草で、7~8月に小さな白い花をたくさん咲かせ、秋に3枚の羽根をつけた実をつけます。その実は、裂けて種が放出しますが、冬もそのまま枝に残っています。

冬に樹の枝につくトコロ(野老)の実

冬の樹の枝についた実

樹の枝についたトコロの実

冬の樹の枝についた、トコロの実です。

散歩をしていて、見る樹にまとわりついたつる植物が、実をつけているのはよく見かけると思います。

トコロも、樹にまとわりついて高くまで登り、実をつけてそのまま枝に残っています。トコロは、雌雄異株なので、ついているのは、雌株です。はっきりとはわかりにくいと思いますが、この実は、3枚の羽根をつけています。中の種はもう放出しているのではないかと思います。

トコロは、雌雄異株でヤマイモの仲間です。根茎につけるたくさんのひげ根が老人の髭ににているとして、野老とつけられたと言われます。また、根にかたまりができるので「凝(とこり)」と呼ばれ、それが「ところ」に 変化したといわれます。野老と書いて、トコロとよばれるようになったようです。

昔は、根をあく抜きをして食べていたようですが、いまはあまり食べられていないようです。実は蒴果で食べられないのですが、根は食べることはできるようです。ただ、ヤマイモとはちがって手間がかかるようです。

枯れたようについているツルや実を見ると、単なる枯れた植物ですが、昔は根が食べられていて、夏に小さな花を咲かせて変わった実をつける様子を見ると、少し興味がわいてくるように思います。(*^m^*)

以下、秋の実や花の様子の写真での紹介です。

秋のトコロの実

秋のトコロの実

こちらは、10月中旬にとったところの実です。まだ、緑の実ですが、3枚に分かれた羽根がついています。普通、実に羽根がつくのは、種を遠くに飛ばす役割を持っていることが多いように思いますが、トコロは違うようです。

葉は、ご覧のように、長めのハート形のような感じで、ヤマイモの葉によく似ていているので混同しそうです。(⌒ ⌒;)

3枚の羽根がついたトコロの実

あまり見かけない形なので、ちょっと面白いと思いますが、どうでしょうか。

白く、小さなトコロの花

トコロの白い雄花

ことろは、7~8月ごろに、このような5mmぐらいの小さな花を咲かせます。雌雄異株なのですが、こちらは雄花になります。花だけがたくさんついています。

6枚の花弁の可愛い花ですが、この花から花粉が提供されるんでしょうね。

たくさんの雄花

こちらは、畑の近くで咲いたたくさんの雄花です。おびただしい数の花を咲かせています。

トコロの雌花

こちらが、8月中旬に撮った雌花です。

茎から伸びた羽根になる部分の先に咲いているようです。葉が見られず、花がつらなって咲いています。

たくさんの雌花

こちらは、畑の周囲にめぐらせた網にまとわって伸びたトコロに咲いた花です。このように、おびただしい花が咲いていました。冒頭の写真は、樹にまとわったものですが、夏のころにはこのような花を咲かせていたんでしょうね。

本日も、最後まで読んでいただきありがとうございました。(^⊆^)

トコロの基本情報・花言葉

トコロ(野老)は、日本全土に分布する、ヤマノイモ科ヤマノイモ属のつる性の多年草で、雌雄異株です。

根にかたまりができるため、「凝(とこり)」と呼ばれ、「ところ」に 変化したといわれます。

名前は、根茎につくたくさんのひげ根が老人の髭ににているとして、つけられたと言われます。

別名は、オニドコロ。

学名は、Dioscorea。

英名は、Dioscorea tokoro。

花期は7~8月で、雄花序は葉腋から直立し、5mmほどで淡緑色の小さな花をつけます。雌花序は垂れ下がります。

蒴果は上向きにつき、3個の翼があります。

葉は互生し、長さ、幅とも5~12cmの円心形~三角状心形で、先が尖ります。葉柄は3~7cmほどになります。

根茎は太く多肉質で、ひげ根があります。

昔は食用にしていたと言われますが、いまはあまり食べられないようです。

トコロの花言葉は、「威厳」

参照サイト・書籍

Wikipedia トコロ

季節の花 300 トコロ

まるごと青森 あやしい苦味で虜にする魔性のいも 「トコロ」

高村忠彦監修 日本文芸社 「季節の野草・山草図鑑

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