花びらのきれいな紅紫の斑点がホトトギスの胸の斑点ににているとされるホトトギスは、日本固有種で、北海道南西部、本州の関東地方以西・福井県以南に分布するユリ科の多年草です。ここでは、特徴のある花の形などについてまとめました。
紅紫の斑点がきれいなホトトギス(杜鵑草)の花
ホトトギスの花
散歩中に生垣から伸びたホトトギスの花を見かけたので、撮らせていただきました。
この花は、以前、山で見かけたことがあって家に持ち帰ったことがありますが、残念ながらうまく育てられませんでした。
きれいな花なのでこちらでは栽培もされていますが、野草としても見られるようです。
ホトトギスと聞くと、「ホーホケキョ」の野鳥を思い浮かべますが、こちらは、日本固有種の多年草です。
写真のように、花にたくさんの紅紫の斑点がついていおり、
野鳥のホトトギスの胸についている模様ににているとして、同じ名前が付けられたとのことです。
最初に見たときは、花びらがきれいなので、しばし見とれました。(^⊆^)
ホトトギスの胸の模様はどんなものかと、写真を探しました。
斑点の感じは少し違うように思いますが、たしかにそれらしい模様があります。
花は、葉腋から伸びた花柄の先に1~3個、上を向いて咲きます。
花被片(花びらや萼)は長さ2.5cmほどで6枚あり、斜めに開いてつきます。
内側には、たくさんの紅紫色の斑点がついていますが、根元には黄色い斑紋も見られます。
雄しべと雌しべにも特徴があります。
雄しべは6個で、花糸は互いに寄り添って束状に立っていて、上部で反り返って先端に葯を外向きつけます(長い楕円形の白色)。
花柱には細かな斑点があり、先は3つに分かれ、各枝の先はさらに2裂しています。(つぎのシロバナホトトギスの写真も参考にしてください。)
ユリ科の花なので、全体の形はユリににているようです。
ホトトギスの仲間はたくさんあるようですますが、つぎの写真はシロバナホトトギスです。
花被片に斑点がまったくなく、真っ白い花ですが、雄しべや雌しべの構造は、通常のホトトギスと同じです。
白いホトトギスもきれいでいいと思いますが・・・ やっぱり斑点があるほうがホトトギスらいしいでしょうか。
最後に、茎と葉の様子です。
茎は分岐せずにまっすぐのび、40~80cmほどになりますが、毛が密に生えています。
葉は茎に互生し、長い楕円形から披針形で先が尖り、長さ8~18cm 幅2~5cmになります。
また、葉柄がなく、葉は茎を包むようにつきます。
ホトトギスの基本情報・花言葉
ホトトギス(杜鵑草)は、日本固有種で、北海道南西部、本州の関東地方以西・福井県以南に分布するユリ科ホトトギス属の多年草です。
名前は、花びらの紅紫いろの斑点模様がホトトギスの胸にある斑点ににていることに由来します。
別名は、油点草(ユテンソウ)。新葉の表面に油を垂らしたような模様があることによります。
学名は、Tricyrtis hirta
英名は、Toad lily。(toad:ヒキガエル)
花の詳細は、Wikipediaを引用させていただきます。
花期は8~10月で、葉腋に2-3個の花を上向きにつける。花に花柄があり、花は漏斗状鐘形で径約25mmになる。花被片は6個で、長さ約25mmあり、斜め上向きに開き、外側に毛が生え、内側には白色地に紫色の斑点が多くあり、下部に黄色の斑点がある。3個の内花被片と3個の外花被片があり、外花被片の基部に袋状のふくらみがある。雄蕊は6個で、花糸は互いに寄り添って束状に立ち、上部で反り返って先端に葯を外向きつける。花柱の先は3つに分かれて球状の突起があり、各枝の先はさらに2裂する。
果実は線状長楕円体の蒴果で3稜があり、長さ30mm前後になり、熟すと胞間裂開する。種子は小円形で淡褐色をしている。
茎は直立するか、崖地では垂れ下がり、長さは40-80cmになる。葉は左右に互生し、葉身は長楕円形から披針形で、長さ8-20cmになり、先端はしだいにとがり、基部は円く茎を抱く。葉の両面に軟毛が生える。茎には斜上する褐色の毛が密に生える。
Wikipedia ホトトギス(杜鵑草)より
ホトトギスの近縁種は、たくさんあり、種類によって分布する地域も違ってるようです。
ヤマジノホトトギス、ヤマホトトギス、タマガワホトトギス、シロホトトギス、サツマホトトギス、シロバナヤマジホトトギスなどがありますが、
詳しくは、「花言葉-由来」をご覧ください。
花言葉は、「永遠にあなたのもの」「秘めた意志」で、10月9日の誕生花です。
参照サイト・書籍
Wikipedia ホトトギス(植物)
みんなの趣味の園芸 ホトトギス
花言葉-由来 ホトトギス
高村忠彦監修 日本文芸社 「季節の野草・山草図鑑」
林弥栄監修 山と渓谷社 「野に咲く花」