コニシキソウ(小錦草)、ニシキソウ(錦草)との違い

2021年10月13日

コニシキソウは、6~11月ごろ花が咲き、2mmほどの実をつけます。葉には斑点がつき、茎や実に毛が付きます。北アメリカ原産のトウダイグサ科の一年草で、明治20年ごろ渡来し、日本全国に分布しているす。ここでは、ニシキソウとの違いについてもまとめました。

コニシキソウ(小錦草)、ニシキソウ(錦草)との違い

コニシキソウの花や実と特徴

コニシキソウ

家の近くで生えたコニシキソウ(小錦草)です。

コニシキソウの仲間はたくさんあって、日本の在来種であるニシキソウや、

外来植物のオオニシキソウ、ハイニシキソウ、アレチニシキソウなどがありますが、

調べた結果では、写真はコニシキソウのようです。

コニシキ(小錦)というと、ハワイ出身の大きなお相撲さんが頭に浮かびますが、こちらは小さな野草です。(^_^)

以前記事にした、スベリヒユにもにていて間違いそうですが、よくみると、葉や茎の様子が違います。

スベリヒユは、黄色い花が咲く雑草で、葉は肉質で食用にできます

スベリヒユ(滑莧)は、日本全土に分布して畑に生える厄介な雑草で、7~8月に黄いろい花を咲かせます。葉は肉質で茹でるとヌメリがあって食用にもされ、光合成能率が高いC4植物です。世界の熱帯から温帯にかけて ...

コニシキソウは、夏の暑いころから生えてきましたが、昨日観察したところ、実をつけていました。

肉眼ではよくわからなかったのですが、マクロで撮影したつぎの写真では、茎に連なってたくさんの実が写っていました。

コニシキソウの実

あまりよくわからないのですが、丸い実の表面には、細かな白い毛が生えています。

また、葉の表面には、黒紫の斑紋が見られます。

日本在来種でよくにたニシキソウは、実に毛が生えず、葉に斑紋が少ないことから、こちらは、コニシキソウと思われます。

実の部分を拡大したのが、つぎの写真です。

コニシキソウの実(拡大)

前の写真では、いま一つはっきりわからなかった毛が良くわかります。

つぎの写真は、9月中ごろに撮ったコニシキソウですが、中央に小さな花が咲いています。

そして、その横に丸い実がついていますが、こちらにも毛が生えており、

茎にも生えているのが見られます。毛深いんですね。(^⊆^)

コニシキソウの花

葉も写っていますが、中央に斑紋がついていて、葉の縁には鋸歯もついています。

もう一点特徴があるのですが、お分かりでしょうか。

葉の付け根の部分が、左右非対称になっています。

小さな野草ですが、興味深いですね。

ニシキソウも同じですが、コニシキソウの茎を切ると白い液が出るとのことなので、たしかめてみました。

切った茎から出る白い液

たしかに、切ってすぐに白い液体が出てきました。

このことも、特徴の一つだと思います。

見かけたコニシキソウの近縁種(ニシキソウ?)

斑点のないニシキソウの仲間

こちらも、9月中ごろに別の場所で見かけたニシキソウの仲間と思われる野草です。

よく向かけるコニシキソウにくらべて大きく広がって生えていました。

また、葉にははっきりした斑紋が見られないようなのです。

拡大してみたのが次の写真です。

拡大した葉や花や実

ポツポツと花が咲いていますが、葉には斑紋があるものと無いものが見られます。

また、花の近くについている実の表面には毛が見られないようです。

葉に鋸歯があることや、葉の非対称は、コニシキソウと同じですが、ニシキソウの特徴がみられるようです。

コニシキソウの仲間は多いので、もう少し確認したうえで、名前を見極めたいと思います。(^ ^;)

コニシキソウとニシキソウの違い

以上から、コニシキソウとニシキソウの主な違いをまとめました。

この中で、実についた毛の有無が、識別するうえで最も有効と考えられます。

コニシキソウとニシキソウの違い
コニシキソウ ニシキソウ
葉の斑紋 有り 無し
茎の毛 有り 無し
実の毛 有り 無し

コニシキソウの基本情報・花言葉

コニシキソウ(小錦草)は、北アメリカ原産で、1887年(明治20年)ころ渡来し、日本全国に分布しているトウダイグサ科トウダイグサ属の一年草です。

名前は、在来種のニシキソウ(錦草)より小さいためコニシキソウ(小錦草)とつけられたとのことです。また、「ニシキ」は、赤い茎と葉の緑を錦にたとえたとする説や、当初2色と書いていたものが誤記されて錦となったととする説、などがあるようです。

別名は、アカクサ、チチクサ(チチクサ)。チチクサは、茎を切ると白い液がでることに由来します。

学名は、Euphorbia maculata

英名は、spotted spurge, milk-purslane

花期は6~11月ころに、葉腋に花弁のように見える4個の小さな花をつけます。

実は、長さ約2㎜、3稜形で、全面に伏毛が生えます。種は長さ0.7~1㎜の楕円形です。

葉は対生し、長さ7~10㎜の楕円形状で左右非対称で、中央に黒紫色の細長い斑紋があります(無いこのもあります)。

葉縁には低い鋸歯があり、葉裏に白毛が密生します。葉柄は、約1㎜。

茎は赤味を帯びますが、やや縮れた白毛が生えます。また、地をはって広がりますが、茎から根は出ません。

花言葉は「執着」「密かな情熱」

参照サイト・書籍

三河の植物観察 コニシキソウ

農村工学研究部門メールマガジン コニシキソウ

林 弥栄監修 山と渓谷社 「野に咲く花

弥生おばさんのガーデニングノート「花と緑の356日」 コニシキソウ

華のいわや コニシキソウ

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