クワクサ(桑草)の花期は9~10月で、花粉や実を自力ではじき飛ばす野草です。名前は、葉がクワの葉ににていることに由来すると言われ、中国、朝鮮半島や、日本の本州以南に分布するクワ科クワクサ属の1年草で、道端や空き地などでよく見られます。
クワクサ(桑草)は、小さな白い花をたくさん咲かせます
クワクサの白い花
クワクサ(桑草)に、小さな花がたくさん集まって、集散花序で花が咲いています。
葉がクワの葉ににていて、一年草なのでこの名がつけられたと言われます。
花言葉は「ひっそり」、たしかに、あまり目立たずに咲いている野草です。
葉の形は、先日記事にしたカラムシにもにています。カラムシより草丈が小さく、花の形がも違いますが、花が咲くまでは、識別がむつかしいように思います。
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カラムシ(茎蒸)に花序で咲く白い花
カラムシ(茎蒸、苧)は、8~10月に、葉の根元に花序で白く小さな花を咲かせます。名前は、茎(カラ)を蒸して皮を剥いでとった繊維で衣服を作ったことに由来します。南アジアから東アジアに分布し、日本では本州 ...
カラムシは繊維を採ることができ、人に利用されてきたようですが、クワクサはそういうこともなかったようです。
写真で、白く見えるのは雄しべとのことですが、クワクサは雌雄異花なので、雄花と雌花が混じって咲いているようです。
写真のように葉の付け根から花柄を出し、その先に花序がついています。
HPによるとクワクサは、花粉や実を自分で飛ばして、受精や種子散布をするそうです。
雄花には4本の雄しべがつき、花糸の先に花粉をつけていますが、ツボミや開花直後は曲がっており、時期がくると一気に伸ばして花粉を飛ばすようです。
花の後につけた実も、花被(花びらと萼片)に包まれていますが、下半部は膨らんで液質になり、膨圧によって種子をはじきとばすとのことです。
実や種を飛ばす植物は聞いたことがありますが、花粉を自力で飛ばす花もあるんですね。他にもこのような植物があるのか、よくわかりませんが、頑張っていますね。o(^∇^)o
クワクサの茎と葉
こちらは、クワクサの全体を撮った写真です。
草丈は50cmくらいでしょうか、畑の隅に生えていました。草ボウボウの畑なので、いろんな雑草類も生えています。
葉は、2cmくらいの葉柄があり、茎に互い違い(互生)についています。大きさは長さ3~8cm 幅2~5cm、卵形で先が尖り、緩い鋸歯があります。
写真の葉の表面は、色の濃淡が見られますが、カラムシやシソの葉ににた感じがします。このような葉の植物はほかにもあり、混乱しそうです。
クワクサは、石垣などでも見かけます。つぎの写真は、家の近くで撮ったものです。
根が張れないためか丈は低いのですが、頑張ってたくさんの花を咲かせています。1年草なので、毎年種を蒔き、生えてくるようです。
クワクサの基本情報・花言葉
クワクサ(桑草)は、中国、朝鮮半島や日本の本州以南に分布する、クワ科クワクサ属の1年草で、道端や空き地などでよく見られます。
名前は、葉がクワの葉ににていることに由来すると言われます。
学名は、Fatoua villosa
英名は、 Hairy crabweed
花期は9~10月、葉の付け根(葉腋)に集散花序で、2mmほどの小さな雄花と雌花が混じって咲きます(雌雄異花)。雄花の花被(花びらと萼片)は4つに割れ、雄しべは4個つきます。花糸はツボミや開花直後は曲がっていますが、時期がくると伸ばして花粉を飛ばすと言われます。雌花の花被も4裂します。
実はそう果で、花被に包まれていますが、下半部は膨らんで液質になり、膨圧によって種子をはじきとばします。
葉は互生し、長さ3~8cm 幅2~5cmで卵形で先が尖り、緩い鋸歯があります。
草丈は30~60cmで、茎は暗紫色を帯びることがあり、細かな毛が見られます。
クワクサの花言葉は、「ひっそり」。
参照サイト・書籍
Tam’s 素人植物図鑑 クワクサ
続・樹の散歩道 クワクサ
林弥栄監修 野に咲く花
高村忠彦監修 季節の野草・山草
今田文弘著 「ずかん たね」
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