5月に、ユキノシタ(雪の下)とドクダミ(蕺草)に白い花が咲いています。両者とも民間薬として利用され、ユキノシタは、虎耳草(こじそう)と呼ばれ、健胃や下痢止めなどに、ドクダミは十薬(ジュウヤク)と呼ばれ、食あたりや胃腸病などに効くとされます。
<目次>
薬用にされるユキノシタ(雪の下)とドクダミ(蕺草)
ユキノシタ(雪の下)
ユキノシタは、特に珍しいものではありませんが、石垣に群生しているのをよく見かけます。
ユキノシタの名前は、雪が積もってもその下に緑の葉があることに因むと言われます。
写真は、見事な群生だと思い、思わず写真を撮りました。
林道沿いの石垣に花が咲いたものですが、半日陰というのでしょうか、直射日光があまり当たらない、明るい場所です。
ユキノシタの葉を近くで撮影しました。この葉は、民間薬や山菜として利用されます。
私が子供の頃、傷が化膿した時に葉を炙って傷口に貼って治療してもらったことを覚えています。
しもやけや火傷にも使われてきたようです。
また、葉の絞り汁は百日咳にも効くと言われるそうです。戦後まもなくの頃は、いまと違って重宝したのだろうと思います。
余談ですが、私は、こどもの頃、他の植物も薬として利用してきました。
例えば、ハチに刺された時はアロエの汁や朝顔の葉を揉んで傷口にあてました。
また、切り傷の場合は、フキの葉を揉んでつけるなど、植物を利用することがありました。(今では考えられませんが)
一つの株から伸びた花茎が20cm程に伸び、その先にたくさんの特徴のある花が咲いています。
毎年この花を見ますが、賑やかで綺麗なので、この時期の楽しみです。
以前、庭の日陰に植えたところ一面に増えてきました。繁殖力の強い植物だと思います。
花弁が5枚あり、上に小さく3枚、下に長く2枚ついています。小さな3枚の花弁は、紅色を帯びており、その上に赤い斑点が見られます。
野草は、何気なく見ることが多いのですが、よく見るとそれぞれに特徴があり綺麗なものを見かけます。この多様さ、種類の多さには、驚きます。
ユキノシタの基本情報・花言葉
ユキノシタは、中国や日本の本州から四国、九州に分布するといわれる、ユキノシタ科ユキノシタ属の常緑性の多年草です。
ユキノシタの名前の由来は、雪が降ってもその下に枯れずに緑の葉があるなどと言われるようですが、諸説あるようです。
別名にコジソウ(虎耳草)がありますが、これは中国名で、葉が丸い形をしており、葉の模様が虎の耳を連想させるとして名づけられたといわれているようです。
花期は5~7月で、20~50cmくらいの花茎を出し、円錐花序で、たくさんの花を咲かせます。花びらは5枚で、上に3枚、下に2枚に分かれており、上の3枚は小さく濃い赤の斑点と付け根に濃黄色の斑点があります。下の2枚は白色で細長くのびています。そして、雄しべを10本、雌しべは2本つけています。
花が終わったあとは、4mmほどの蒴果をつけます。
草丈は20~50cmほどで、葉は根元にロゼット状につけます。葉の形は円形に近く、灰白色の斑が目立ちます。
早春に山菜として食べることもでき、昔から胃もたれや下痢に効くとされ、利用されてきたようです。また、葉をあぶったものは、凍傷やしもやけなどの治療に使われてきたようです。
ユキノシタの花言葉は、「深い愛情」。
これは、民間薬として子供の治療などに利用されてきたことに由来すると言われます。
ドクダミ(蕺草)
ドクダミも家や畑の隅などに毎年生えてきます。葉をちぎったりすると独特の匂いがし、引いても引いても無くなりません。こちらも、繁殖力が強い植物です。
Wikipediaによると、名前は、毒下しの薬効が顕著であるので、毒を抑えることを意味する「毒を矯(た)める」から、
「毒矯め(ドクダメ)」が転訛して「毒矯み(ドクダミ)」と呼ばれるようになったと、言われます。
別名として、ジュウヤク(十薬)と言われますが、民間薬として利用されてきたようです。
腫れ物や皮膚のただれ、切り傷などに、葉を炙って貼って治療します。
里山でも良く繁殖しているのを見かけます。臭いので、動物もあまり食べないのでしょうか。
人間は加工することが出来るので、癖のある植物でも利用します。
秋山久治著「薬草の見つけ方」によると次のような薬効があるとのことです。
葉を蒸して化膿した部分に貼ることにより、膿を吸い出すことができるそうです。また、乾燥しておいてお茶で飲むと利尿効果があり、高血圧の予防によく、便通も良くなるとのことです。
葉の食べ方(星川清親著「食べられる山野草」)は、葉を摘み良くゆがいて十分水に晒し、臭みが取れるまで水を替えた後、みそや酢味噌で和えます。あるいは、ごまあえやおひたし、汁の実などにできるそうです。バター炒めや天ぷらもいいようです。
皆さんも、試してみてはいかがでしょうか。
ドクダミの花は、これからが本番になるのかと思いますが、白くて清楚ではないでしょうか。山法師の花にも似ています。
ドクダミの基本情報・花言葉
ドクダミは、東南アジアに分布し、日本では北海道南部から四国、九州に分布するといわれる、ドクダミ科ドクダミ属の多年草です。
ドクダミの名前は、「毒を矯(た)める」から、「毒矯め(ドクダメ)とが転訛し、「毒矯み(ドクダミ)」と呼ばれるようになった、とのことです。(Wikipediaより)
また、薬効があるとして、ゲンノショウコ、センブリとともに、日本の三大民間薬とされてきたとのことです。
別名は「十薬(ジュウヤク)」。薬草としての効能がたくさんあることから、よばれるようになったようです。
花期は5~8月で、茎の上部の葉腋から出た花茎の先に、花びらのような4枚の苞をつけます。また、中央に小さな花からなる円柱状の花穂をつけますが、実はつけず、繁殖は地下茎によるとのことです。
草丈は20~50cmで、黒っぽい茎が立ち、全縁の卵形の葉が互生します。
全体にアルデヒドを含んでおり、傷つけると特有のにおいがします。
ドクダミの花言葉は「野生」「白い追憶」。
「野生」は、繁殖力が高く、ちぎれた地下茎からでも繁殖するたくましさに由来するといわれるようです。
参照サイト
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