今回は、手入れ不足の人工林の様子について述べます。(この投稿で使用した写真については、末尾をご覧ください。)
<目次>
手入れ不足の人工林
写真は、間伐を行っていなかったために成長できず、細い状態の杉林で撮ったもので、台風の強風で何本もの木が折れたり曲げられた状態になっていたものです。
このように曲げられてしまうと、もとに戻すことは困難で、切り倒すしかありません。ここまで行く手前で、2本の木が絡み合うこともありますが、その場合も戻すことは無理で、切ることにしています。
写真の樹の場合、曲がりによる歪がたまっており、切ると大きく割れるので、慎重に処理する必要があります。私は、枝打ち用の長く伸びる鋸(製品名は「枝打ち一発」)を使って切り倒しました。
切り倒し、整理したあとで撮ったのが次の写真です。複数本まとめて切ったので、明るくなりました。

もう少し、間伐をしてもいいくらいかと思います。
間伐を行うと、遠方からみると切るべきだと思って近ずいてみると、いやまてよ置いてもいいかも、と気が変わることがありました。
近ずいてよく見ると、そんなに悪くないとか、勿体ないという気が起こるのか・・・ これではダメですよね。
次の写真は、太い葛が杉の木に巻き付いています。蛇が巻き付いている様にも見えますが、年数がたつとこんなことにもなるんですね。同じようなものは、幾つか見ました。

もちろん、葛は切り、取り除きました。これが進むと木に型が残るようになり、さらに進むと折れてしまうことになるんでしょうね。植物の戦いは、ゆっくりとしかし厳しいものなんだと思いました。

少しわかりにくいのですが、杉の木が上部で、折れています。台風のせいだと思います。この例では2本だけですが、ひどい時には、広範囲にわたって折れることがあります。
樹の栽培は、自然の中で長年月を要するため、当然このようにリスクも伴うことになります。このようなことを考えると、木材価格はもっと高くない割りに合いません。

杉の樹と雑木が混植になっている場所でみた現象です。雑木山に生えて成長した杉の木に、伸びてきた雑木の枝が接触し、擦られたもので、痛々しい傷になっています。
雑木は取り除きましたが、傷は残るでしょうね。

間伐する林地に、前回の間伐材がそのまま残っています。間伐をする前に切断し、まとめて積み上げ整理しました。

横たわっている木を切るときは、チェンソーの刃が地面に接触しないように気を使います。少しでも石に当たれば、途端に切れ味が悪くなります。
このように整理した後に、間伐を行い、さらにそれを適当な長さに切断し、まとめて積み上げました。
(注)この投稿で使用した写真について 私は2014年から2016年の3年間、「森林・山村多面的機能発揮対策交付金」を受けて、多くの人達に協力していただいて、人工林の間伐・整理と低木雑木林の伐採・林産物植樹などの作業を行いました。 この投稿では、その時に撮った写真を使っています。20年程度以上手入れが行われていなかった人工林で起こっていた現象についてのお話ということになります。
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